2020-12-09 ミレニアムスペースシステムズ社、小型衛星軌道離脱技術の実証実験

ミレニアムスペースシステムズ社、小型衛星軌道離脱技術の実証実験、デブリ解決に向けて 小型衛星や超小型衛星がデブリ化する問題を解決する方法が複数の企業で開発されているが、小型衛星に細長いベルト状のテザーを展開することで、軌道を周回する小型衛星が大気圏突入して焼失するまでの期間を短縮する技術の実証実験を行っている。

ミレニアムスペースシステムズの暫定CEOであるトムラッセル氏は、この技術は、増大する軌道デブリの混雑の問題に対する可能な解決策であると述べている。 ボーイングの子会社であるミレニアムスペースシステムズは12月7日、先月宇宙で開始された実験により、小型衛星が約45日で安全に軌道を外れることが示されると発表した。 2つのミレニアムスペース小型衛星が11月19日、ニュージーランドからロケットラボ社のエレクトロンロケットで低軌道に打上げられた。DragRacerという名前の実験では、両方の衛星が同時に放出された。1つには展開可能なテザーがあり、もう1つにはテザーが無い。ミレニアムスペースは、テザーがつながれた衛星が地球大気圏に再突入し、45日で燃え尽きる一方で、つながれていない衛星は再突入まで7年以上かかると予測している。

トムラッセル氏は、この技術は、増大する軌道デブリの混雑の問題に対する可能な解決策であると述べた。長さ70メートルの 衛星の1つには、低軌道で展開された長さ70メートルのテープ(テザー無制限終端テープ(Tethers Unlimited Terminator Tape)が装着されている。テザーは宇宙船の表面積を増やし、地球への帰還を加速する。もう一方の衛星は、5年から7年半の自然落下軌道をたどると予想されている。
このミレニアムスペースシステムズという会社、代表者の経歴を見て、なるほど、と思える人は、宇宙ベンチャーに長年興味を持っている人だろう。現在はボーイングの子会社となっているが、そもそも、20年ほど前に存在した宇宙ベンチャーの草分け的存在のSpectrum Astro社代表と、ドリームチェイサー小型宇宙往還機開発として一世を風靡したSpaceDev社代表がボーイングの申し出に賛同し、ミレニアムスペースをボーイングの傘下企業として立ち上げている。米国の宇宙開発技術者の人材が脈々と生き続けている。