2020-12-04 スイスの新興企業ClearSpace、スペースデブリ除去ミッションでESAと契約

欧州宇宙機関(ESA)は、スイスの新興企業ClearSpace SAとの世界初のスペースデブリ除去ミッションで1億400万ドル(100億円程度)の契約を締結した。 この契約では、単なる技術実証ではなく、実際の除去サービス契約となる。契約形態は公募、入札形式ではなく、ESAが除去サービスを購入する形式となる。 2013年に打ち上げられたアリアンスペースのVegaロケット2回目の打上でデブリとなっているペイロードアダプタの回収となる。
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ESAが提供する8600万ユーロ(108億円)は、ClearSpaceが民間投資家から調達している2400万ユーロ(30億円)に追加される。ESAは、サービス購入コストに加えて、アクティブデブリ除去/軌道上サービスプロジェクトの一環としてESAのクリーンスペースイニシアチブによって開発されたミッションに重要な技術を提供する。提供される技術には、高度なガイダンス、ナビゲーションおよび制御システム、視覚ベースのAI、および目標物を捕獲するためのロボットアームが含まれる。

回収される112キログラムのベガロケット二次ペイロードアダプタ(ベスパ)は、地球軌道約801 x664キロメートルの軌道上にある。ClearSpaceのデブリ除去サービスの最初のターゲット市場である小型衛星のサイズと重量に似ているため、このデブリが選択された。 500キログラムのClearSpace-1チェイサー宇宙船は、2025年にVega-Cロケットに搭載される予定。この宇宙船は、ナビゲーション用のカメラ、レーダー、LIDAR、およびターゲットオブジェクトをキャプチャするように設計された4つの関節式触手を備えている。 8600万ユーロの資金提供は、元請業者であるClearSpaceSAの母国であるスイスが主導し、その他の主要な協力国は英国、ドイツ、ポルトガル、ポーランド、スウェーデンである。