2002-08-18 防衛庁、無人偵察機(UAV)の導入検討:不審船対策(毎日新聞)

 防衛庁は不審船対策として、航空自衛隊と陸上自衛隊にそれぞれ無人偵察機(UAV)を初導入する方向で検討に入った。不審船の発見、監視、識別などに活用する。昨年12月に東シナ海で沈没し、引き揚げ作業中の不審船から対空ミサイルなど強力な武器が見つかったため、今後、有人機での接近は危険と判断した。空自では、米軍のアフガニスタン攻撃で注目された無人偵察機「プレデター」タイプの独自開発も検討している。

 防衛庁はこれまで、海自の哨戒機P3Cで不審船の警戒・監視を行ってきた。東シナ海の不審船もP3Cが発見した。しかし沈没した不審船はミサイルや対空機関砲を搭載。P3Cで撮影するには、船に約500メートルまで接近しなければならず、対空武器の射程内に入り撃墜される危険性が指摘されていた。

 空自は、技術研究本部がこのほど試作した多用途小型無人機(固定翼ジェット機、全長4・7メートル)をベースに日本版「プレデター」を開発する方向。現在は戦闘機に搭載し空中発射するタイプだが、これを陸上発着型に改良、GPS(全地球測位システム)などの誘導システムで数千メートルの高度をマッハ1弱で飛ぶ。センサーで目標物を見つけ、画像データを陸上施設にリアルタイムで送ることを考えている。

 火山噴火や大規模地震など災害時も活用できる。今年度中に運用方法や技術面を詰める方針で、導入は最短でも4年後の見通しだ。機体価格は数億円程度という。

 一方、陸自は小型の回転翼式を検討中。主に有事の際に敵地を偵察し、相手の規模や動きを把握するのが目的で、沿岸部での不審船や武装工作員の動向もとらえる。独自開発か海外からの購入かの検討を進め、早ければ来年度予算案に費用を計上する方針だ。ただ、導入に向けては、飛行の信頼性や安全性の問題も含め、解決しなければならない課題もある。

世界のUAV(生産中のもの:スペースレフまとめ)

Aerosonde
 (Aerosonde Robotic Aircraft)
Altus
(General Atomics ASI)
Black Widow
 (AeroVironment, Inc.)
BQM-145A
 (Northrop Grumman Ryan)
Camcopter
 (Schiebel Technology, Inc.)
Chiron
 (Aurora Flight Sciences Corp.)
Cypher
 (Sikorsky Aircraft Corp.)
D-1
(Dara Aviation, Inc.)
D-21B
 (Lockheed Martin)
DarkStar RQ-3
 (Lockheed Martin)
Dragon Eye
 (Naval Research Laboratory)
Dragonfly
 (The Boeing Co.)
Dragon Warrior
 (Sikorsky)
E-Hunter (TRW)
FireScout
 (Northrop Grumman Ryan)
Global Hawk RQ-4
 (Northrop Grumman Ryan)
Predator RQ-1
 (General Atomics ASI)
X-45 UCAV
(The Boeing Co.)
MicroStar
 (BAE Systems)
Kitty Hawk 3 Orville (NASA)