2002-06-19 民間ロケット新型エンジン、国の小委が開発に待った(読売新聞)

 民間主導で開発を目指しているわが国初のロケット「GX」に搭載する液化天然ガス(LNG)エンジンについて検討している国の宇宙開発委員会の評価小委員会は18日、「緊急性がない」として開発を認めないことを決めた。

 LNGエンジンは宇宙開発事業団が開発を推進しており、計画が遅れれば、2005年度を目指すロケットの打ち上げに影響が出るのは必至だ。

 GXは石川島播磨重工を中心に国内7社が出資する会社が開発を進める中型ロケット。第2段のLNGエンジン開発を宇宙開発事業団が担う。システムや誘導制御ソフトなどは米企業から導入する。

 小委員会では、LNGエンジンの開発は長期的には有用としながらも、2005年度に打ち上げを行う緊急性は認められないと指摘。第1段エンジンタンクだけでなく、誘導制御ソフトなども米国製であることから、安全な打ち上げに必要な技術情報の公開が可能かどうか、さらに確認が必要とした。

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2002-06-18 GXロケット、文部科学省は開発計画を当面は認めない方針(毎日新聞)

 国内の宇宙関連企業が提唱する中型の「GXロケット」開発計画について、文部科学省宇宙開発委員会の小委員会は18日、国側が関与する第2段エンジンの本格開発を当面は認めない方針を決めた。GXは制御システムに米国の技術を導入する予定だが、米国は技術情報の開示を制限しており、現時点では国としてロケットの安全管理体制に確証が持てないと判断した。GXは05年度の初飛行を目指していたが、仕切り直しを迫られることになった。

 GXは中小型衛星の打ち上げを行う2段ロケットで、石川島播磨重工業などが出資する「ギャラクシーエクスプレス」社が開発構想を進めている。第2段は宇宙開発事業団が新たに液化天然ガス(LNG)エンジンを開発するが、第1段はロシア製のエンジンと米国製の燃料タンクを使い、低コストでの打ち上げを目指していた。

 しかし、ロケットの頭脳に当たる電子制御システムは米国の技術を導入することになっていたため、同委員会は打ち上げの安全管理に必要な技術情報が米国側から十分に得られるか問題視していた。また、「衛星の打ち上げ需要が不明確」「新たなロケットに投資する余裕があるのか」などの声も出ていた。

 石播は「委員会の正式決定を待って対応を考えたい」と話している。