2000/8/30
パーソナルサテライトアシスタント(The Personal Satellite Assistant:PSA)公開:HAL2000よりはR2-D2に近い


NASAがパーソナルサテライトアシスタント(PSA)をはじめて発表したとき、新聞の第一面には大きく取り上げ、映画「2001年宇宙の旅」で登場したコンピュータ「HAL2000」と比べる記事が紹介された。

この装置は、サッカーボール大の大きさの精密機械で、宇宙に滞在する宇宙飛行士の周辺を浮遊しながら、システムのアップグレードに必要な情報を提供したり、宇宙船の酸素レベルを測定したり、また維持管理までも行うという、球形のコンピュータ装置である。しかし、HAL2000とはスケールが全く異なる装置であると、NASAのPSAプロジェクト主研究者であるYuri Gawdiak氏が語った。どちらかというと、映画スターウォーズに登場する人間ロボットに近いものであると説明している。

似たようなセンサーはシャトルに搭載されているが、それらは固定位置から監視するだけである。PSAの大きな有利点は、無重力空間に浮遊しているために、問題が発生した場所を迅速に捕らえ、危険個所を知らせ、要求すれば補修もする。宇宙飛行士は、宇宙モジュールに入る前に、このPSA装置を投入し、事前に温度や危険ガスなどのチェックが行える。

PSAには、多くのセンサー、カメラ、マイク、ディスプレ、推進用プロペラなどを備えている。言い換えれば、PSAは宇宙飛行士に更なる目と耳を与えることになる。