2009-12-18 オバマ、新規大型ロケット開発とNASA予算増額を予定(スクープ)

オバマ大統領は議会に対し、人間を月、小惑星、火星の月に送り込むための新規大型ロケット開発に向けた予算を来年要求する予定である。大統領は米国有人宇宙プログラムに対し、新しい方向性を採択したことになる。ホワイトハウスでのNASA長官と大統領が会合を開き、この会合に近い情報筋によると、NASAは2011年に追加の1000億円を確保し、新型ロケット開発、及びロボット地球観測衛星開発をてこ入れする。

現在のNASAの計画では、有人宇宙探査は3500億円のコンステレーションプログラムで実行されている。このプログラムでは宇宙ステーションと月への乗員輸送が実現する。しかし当初のアレス1号ロケットはコストと技術的な問題に直面していて、オーガスティン委員会からは将来の宇宙飛行に向けた選択肢からは外されていた。この委員会では、NASAの年間予算18.7Bドルに3Mドルを上乗せして有人宇宙飛行の次の段階に進むべきだと提案していた。オバマの1千億円追加策は、進行中の景気後退と予算の赤字の中で、来年には議論を呼ぶ事になりそうである。NASAは2010年予算に1千億円の追加を勝ち取ったばかりで、すでに大統領の署名を終わらせている。

情報筋によると、ホワイトハウスは貧しいNASA予算では、より単純な大型ロケットに集中したほうが得策と考えており、打上げ予定も2018年頃を目指す。一方で、欧州、日本、カナダは、米国が数千億円を節約するために月面基地建設のための着陸船とモジュールの開発を依頼される計画である。民間企業は国際宇宙ステーションへの物資補給ビジネスを全面的に引き継ぐ予定である。

ホワイトハウス関係者によると、この決定により大きな問題が発生するわけでもなく、既存の航空宇宙関連職務に悪影響を及ぼす事のではと懸念している議会の心配を緩和することを期待している。しかし、正式には発表されていない今回の決定は上院や他の議員から反対意見が投げかけられることは必至であり、現在進行中のコンステレーションプログラムの変更により、選出された州の大量レイオフが行われることを懸念している。

ブッシュ元大統領は2004年に、月に人間を送る提案をした。それ以降、国民の興味は別の方向に向った。米国の同盟国は月探査に集中する一方、ホワイトハウスは、将来の火星有人着陸探査の準備として、小惑星とフォボス、ディモスへの有人ミッションにより興味が移ってしまった。この選択肢はオーガスティン特別委員会によって提案されていた。この選択肢が実現した場合、NASAは今後数年間は火星の月のロボットミッションと小惑星ミッションに集中することになる。

この新しいプログラムでは、Ares1号ロケットは捨てることになる。議会の批判を避けるために、NASA長官は、新型ロケット開発研究によってNASAフィールドセンターで大量の解雇すること無しに作業を進めることを希望している。

しかしシェルビー上院議員は追求する構えである。12月14日にNASA監査局長官宛の書簡には、これらの問題に厳粛に調査を行うよう要求している。

新宇宙政策がいつ正式に発表されるかは未定だが、来週早々には発表されるだろうとホワイトハウス情報筋が述べた。また、別の情報筋によると、来年1月下旬の大統領一般教書まで発表されないだろうとも言われている。