デルフト工科大学の宇宙技術セッション大学院生が衛星画像の大量販売を目指す企業を登録した。12機の光学と5機のレーダの地球観測衛星からの画像を利用して付加価値サービスを提供する。
登録した企業はモベオ(Mobeo)社でマン島に本社を置く。提案は大学の宇宙技術セッション最終プレゼンテーションで発表された。従来、衛星画像は無料で配布すべきかどうかの共通認識が確立していない状態であることから、会場には官民宇宙関係者が参加した。
デルフト大学大学院生の全員が政府機関や民間企業からのある程度経験を積んだ専門家であるが、モベオプロジェクトに50億円程度の資金獲得を目指している。従来は衛星画像の唯一の顧客は政府機関であるが、一部分は民間企業による定期利用者がジオ情報データの利用として画像を購入している。しかし、政府機関の利用量に比べて雲泥の差がある。プロジェクトではスマートフォンやタブレット型端末利用者という膨大な一般利用者をターゲットにしている。
ビジネスモデルとしては、多くの利用者が期待する位置情報サービスを中心とし、アップルのiPhoneをモデルとしてアプリケーションソフトウェアを企業が開発し、ソフト利用エンドユーザが1回に付き5セント支払いう。モベオはソフト開発者にコミッションを支払う。ヘビーユーザとなる企業との特別契約も可能だが、主力は年間数ドルを支払う世界中の一般ユーザである。
大学院生によると。モベオビジネスは利用者を満足させるためには最低でも1週間でデータがアップデートされることを条件としている。例えば休暇の家族が暴風雨の後の自宅の状態をモニターしたい、といった具合である。
17機の衛星を打ち上げには、SpaceXのファルコン9ロケットを想定し、予備としてインドのPSLVを想定している。全コストは営業開始から7年間の運用費も含めて1.2Bドル(1000億円程度)とのこと。
欧州では、依然として、地球観測衛星データは無償で提供するのか、民間企業に渡して商業利用を促進させるのか、意見が分かれている。サリーサテライトの地球観測部長によると、ゆっくりとだが、衛星画像市場から政府は徐々に退くべきだろう、と述べている。安全保障、気象変動、国際的支援開発では民間企業のサービスで提供されるべきであるとしている。
米国政府は高分解能画像への民営化を、政府が大量の購入するという形で過去10年以上に渡り、支援してきている。しかしNASA支援の低分解能のランドサット衛星画像を無料提供にした途端、利用者は急増した経緯がある。NASAグレンリサーチセンター所長は、中国とブラジルの共同プロジェクトであるCBERSを例に挙げ、衛星画像を無償提供したことで、従来の有償の時の年間1000件程度のアクセスが、毎月10万件以上のアクセスに急増したとのことである。