2010-07-29 SD HLV、初期宇宙太陽発電衛星実証ミッション概要、リスク評価

ISSへ大量の物資を輸送する役割も含め、主な3つの「地球軌道外:Beyond Earth Orbit」ミッションは、火星と月、地球近傍物体(NEO)への着陸が注目される。しかしながら、これらだけが大型ロケット(HLV:Heavy Lift Vehicle)の利用価値ではない。スペースシャトル派生大型ロケット(Shuttle Derived Heavy Lift Launch Vehicle:SD HLV)のミッション評価がプレゼンされた。

ここでHLVとは、打上げ能力200トンクラスのロケットである。提案されているミッションとしては、GEOと深宇宙に巨大な望遠鏡を有人で建造するミッション、小惑星有人着陸ミッション、有人火星着陸ミッションと準備ミッションとして火星の月フォボス有人着陸ミッション、そして小惑星有人着陸ミッションなどが注目されている。

さらに、宇宙太陽発電衛星(Space-Based Solar Power:SBSP)にはHLVが必要である。2016年までにGEOに30トンの技術実証衛星打上げを実現する計画である。

このミッションで実証される内容は、SPS(Solar Power Satellites)試験衛星をGEOに打上げ運用を試験すること、GEOに大規模ペイロードを打上げ、そして軌道投入するコストと運用の利便性、有効性を評価すること、GEOと月軌道に輸送するためのホール効果スラスターの試験、SPSのエネルギー密度と変換効率の評価、地上のレクテナシステムに伝送された電力量の実証、等である。

SPSが宇宙輸送中にバンアレン帯を通過する際に受ける損失を最小限にするために、迅速に通過させる必要が有るが、その方法を検討する必要が有る。

SPS実証衛星の伝送アンテナ径は53メートル程度、周波数帯は94GhzのWバンド。この周波数帯は宇宙でも地上でもシステムの大きさを最小限にするために採用されている。送信されたエネルギーのほとんどを地上で受信するレクテナのサイズは直径7km程となる。しかしこのサイズのレクテナは技術実証の試験としては実用的ではない。変換効率を実験するだけなら、直径150メートル程度のレクテナで十分としている。

この周波数帯で発生する出力パワーは0.25-1.0KWe程度である。レクテナの設置場所は米国南西部の砂漠地帯を想定し、雨や水蒸気の減衰効果を配慮している。変換効率が全システムを通じて15パーセントと想定すると、直径150mのレクテナで25kWeの能力が期待できる。