2009-10-23 オーガスティンレポート最終報告書:メディアの反応

誤ったロケットを誤った方向でNASAは使っていると批判

オーガスティンレポートの最終版が発表された。メディアはNASAの現在のプログラムに対して批判的なニュースに焦点を当てている一方で、委員はアレスⅠロケットや月面基地の実用性などに関しては特に問題視していない点を強調している。これは技術的な理由ではなく管理運営上の理由であり予算の変更を促していることに注目した。
  APは、NASAは有人月探査に戻る壮大な計画で大きな迂回をする必要が有るとホワイトハウスに提言している。そしてNASAは誤った道と誤ったロケットを選んでしまっており、より大型ロケットと新しく探査すべき惑星に焦点を当てるべき、との意見もあった。委員長のアーガスティンと委員のクローリーは、現在のNASAの計画は2005年の時点では十分に検討された案ではあるが、予算がなくなり、計画も後れている現在、NASAの新しいアレスⅠロケットは当初の目標の一つを失っているように見える始めている。つまり宇宙ステーションに輸送することは不要ということだ、と委員は述べている。ホワイトハウス報道官のシャピロは、決断は大統領がするだろうと語った。

  ニューヨークタイムズ紙は、報告書はNASAに対し、アレスⅠロケットの中止検討を促していると報じている。しかしながら、報告書はサプライズをほとんど含んでおらず、委員の考え方を詳細に述べている。注目すべきは、委員はアレスⅠロケットを「情況変化の被害者」と表現している。さらに、アレスⅠロケットの全ての開発作業を放棄することを求めてはいない。
ワシントンポストは、オーガスティンは、NASAの現在のプログラムは曲がり角に来ており、さらなる宇宙探査への予算を上乗せするか、またはケネディ大統領が示した宇宙探査プログラムをまずは放棄するか決断の時期だ、と述べている。さらにオーガスティンはホワイトハウスに対し、NASA長官の権限を強化し、企業のCEOと同様に、それほど宇宙探査に重要とは考えられないNASAの部門を縮小する権限をNASA長官に与えるべきとしている。そして地球低軌道への輸送サービスをNASAが関与する代わりに、NASAは、2016年までに官民共同作業として数十億ドルの予算をより単純で安価で実質本意の低軌道有人輸送宇宙船の開発に回すべきだとのべている。

オーランドセンチネル紙は、この報告書は1月以来NASAを無視し続けてきたオバマ大統領とホワイトハウスに対し、真っ正面から取り組ませることになっている、と述べている。報告書は多くの選択肢を示しているが、強調している点として、NASAはよりよいロケットを選択し、コスト分担する海外諸国を招き入れ、宇宙ステーションへの輸送には民間ロケットを利用すべきとしている。しかしながら、オバマが委員会が提案するNASAの1兆8千億円規模の予算増加に対し、難色を示す徴候を示していると述べている。

フロリダトデー紙は、NASAが依然としてオリオン有人カプセルを開発し続けていることに注目している。オリオンの方向性については、オーガスティン委員会は、NASAの長距離宇宙飛行の能力を高めるためにもっと時間を掛けて改良を重ねるべきとしている。つまり最終的に火星を目指すことが出来るような米国の技術と知識を高めるべきとしている。オーガスティンレポートは対照的に、退役ダイヤ副司令官は、民間企業のロケット開発が失敗したときのことを考えて、NASAはアレスⅠロケットの開発を継続すべきだと主張している。

一方、スペースフライトナウ紙は、アレスⅠロケットが実用的とは思えないが、委員会メンバーの一人は445億円の試験打上げは実行すべきだとし、将来のロケット設計に有益なコンピュータモデル構築にとって重要なデータを収集するとして、試験打上げ実行を提言している。

ヒューストンクロニクル紙、AFP、ABCニュース、BBCニュース等のメジャーニュースソースは、オーガスティンレポートに対する下院議員のコメントを掲載している。オルソン共和党議員は、NASAを監督する下院委員のトップ共和党議員だが、米国が必要な役目を果たせないならば宇宙におけるリーダシップの地位を続けることはできないと考える、と述べている。ビル・ネルソン上院議員は声明を発表し、オバマはNASAは最善を尽くすための予算は確保し天まで達する、と語っている。ガブリエル・ギフォード共和党議員もまた、オーガスティンレポートを楽しみしているが、議会としては委員会が懸念する事項についてはすでに決定済みのこと、と述べている。つまり、議会のNASA支持者は委員会の報告書をすでに無視するつもりであると述べている。

ハンツビルタイムズ、スペースニュース等によると、共和党も民主党も似た反応を示しており、オーガスティンレポートに対して一斉射撃を放っている。アダーホルト共和党議員は、報告書は安全面でのデータを一切提供しておらず、ホワイトハウスや議会のリーダがNASAの将来を考えるための助けにはまったく意味をなさない、と報告書を冷ややかに受け止めている。グリフィン共和党議員は、報告書は不完全で準備が不十分は内容であり、NASAの発展を遅らせるものであると、批判的である。セッション上院議員は、オバマが宇宙とNASAに対して真剣ならば、追加の年3000億円の予算を承認するだろう。