2008-09-19 米、1700億円のスパイ衛星プロジェクト承認

前回のスパイ衛星打ち上げ失敗を受け、ブッシュ政権は新たな1700億円規模のスパイ衛星プロジェクト承認に向けて調整を進めている。予定では2012年までに2機の衛星を打ち上げる。

プロジェクト推進は国防総省と国家情報局で、二度と失敗は許されないと述べている。

2005年に中止となったプロジェクトは未来型画像アーキテクチャ(Future Imagiry Architecture)と呼ばれるシステムであるが、コスト上昇、開発の遅れ、能力の問題等の理由が原因であった。しかも一機打ち上げる直前に中止になっている。その結果4000億円が無駄になってしまった。

今回のシステムはBASIC(Broad Area Space-Based Imagery Collector)と呼ばれているプログラムであるが、解像度はパンクロで41センチメートルで、それほど高い分解能とは言えず、すでに民間の商業衛星でも十分満足できる分解能となっている。しかしながら、関係者によると、このプログラムは必ずしも高い分解能を要求するものではないとしている。

同時にGeoEye商業衛星の画像を購入することも継続される。これはブッシュ政権が進めた商業衛星画像購入を推奨する方針を打ち出したことによる。しかしながら国防機関としては自らの衛星を保有することを希望している。

衛星の仕様は発表されていないが、おそらく軍事活動、諜報活動に有効に利用されるために、画像撮影目標を頻繁に変更したり、より詳細な画像撮影のためにより低軌道を飛行可能なように大量の燃料を積み込んだ衛星が要求される。

GeoEye代表によると、同社が収集する画像の半分は政府が購入している。この現状から、一部の評論家からは、民間企業に対して政府が同じ衛星を作り、単に競争するというバカげたことだ、との意見もある。