2007-09-30 「宇宙天気予報」で電子予測=世界初、ネット公開も−30%以下は晴れ・理研など

 あすの宇宙の天気は?−。気象衛星「ひまわり」などが周回している高度約3万5800キロの静止軌道で、人工衛星の故障の原因となる電子の発生確率を予測する「宇宙天気予報」を、理化学研究所の片岡龍峰研究員らが世界で初めて開発した。インターネットでも公開しており、5日後までの宇宙の「天気」を知ることができる。

 人工衛星の故障を引き起こす原因となるのは、キラー電子と呼ばれる放射線粒子。軌道の周辺でキラー電子の量が増えると、人工衛星の異常動作や故障が起こりやすくなる。片岡研究員らは電子の発生に影響を与える太陽風のデータなどから、キラー電子の量が警戒レベルに達する確率を数日先まで予測できる計算方法を独自に開発した。

 地上の天気予報の降水確率と同じ要領で、1日のうちで警戒レベルを超える可能性が10〜30%の場合は晴れ、40〜60%は曇り、70〜90%は雨と表現。ホームページ(HP)上では「天気」を、UFOに雲や雷が掛かったマークなどで表示している。(時事)