2007-09-18 惑星追跡ミッションが明らかに:アストリウム

欧州宇宙企業のアストリウムは、2029年も4月に地球の近くを通過する予定となっている小惑星を追跡するための衛星を開発している。この小惑星はアポフィス(Apophis)として知られており、地球に衝突する可能性があると3年前から考えられている。現在科学者は地球から36,000キロメートル以内の距離で地球に近づいて通過すると予測している。この距離はいわゆる「十分に安全な」距離として表現されているがは、多くの通信衛星が周回する軌道よりもより地球に近いところを通過することになる。

アストリウムの設計によるとこの衛星は小型でリモートセーシングとなっており、2014年1月にアポフィスとランデブー飛行に入り、その後3年間にわたって追跡を行う。衛星からは、小惑星の大きさ、回転状態、成分組成、そして温度データを地球に送信してくる。

アストリウムとしては、これらの情報は軌道モデルを検討する上で重要な情報であり、より正確な軌道予測によって地球への衝突の危機を緩和することに役に立つと考えている。

本当の危険が発生した場合を想定し、小惑星の軌道変更のために小さなインパクタを衝突させたり、並行して飛行させる衛星の重力によって引き寄せ、小惑星の軌道を変更するといった可能性も検討する。

ミッション実現には数百万ユーロが必要と予想され、ESAやNASAからの資金援助を期待している。

(編集者コメント:日本のハヤブサミッションも、技術実証や科学目的ばかりではなく、より人類の安全に貢献するミッションに向けた小惑星探査ミッションに期待したい。)