2007-05-02 宇宙でのイスラム教儀式、指針発表

イスラム教徒が大多数を占めるマレーシアから宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士が誕生する。しかしながら断食、メッカに向かってお祈りをするといったイスラム教独特の行動規範を宇宙ステーション滞在中も行う必要があるが、そこではさまざまな問題が発生する。しかしながら、このほど行動規範を緩和する特別な指針がマレーシア政府から発表された。

2006年4月に、イスラム教の学者らが参加するフォーラムを開催し、宇宙飛行で直面するイスラム教信者の問題点について議論を行った。たとえば、サウジアラビアの神聖都市メッカに正確に向けて一日5回のお祈りをするが、地球を高速で周回する宇宙ステーションではお祈りしている間に方向が変わってしまう。指針では、「宇宙飛行士の状況判断で可能な限り方角を決める」と緩和されている。

ラマダンの月に断食する間、イスラム教徒は日の出から日没までの間食物も水も口にすることが禁じられている。指針では宇宙飛行士は自分の判断で、宇宙で断食してもよいし、帰還してから断食をしても良いと緩和されている。

また、宇宙で食する宇宙食がイスラム教にのっとって調理されたハラル食かどうか疑わしい時は空腹を満たす範囲内で食べることが可能としている。服装については男性の場合、公の場では少なくとも体の中心から膝までの間は見苦しくない服装をするよう求めている。今回の宇宙飛行士は男性である。