2006年03月17日

今度は「宇宙ヨーグルト」 ひまわり乳業商品化へ

 宇宙酒の次は宇宙ヨーグルト!?――ひまわり乳業(高知市与力町、吉沢文治郎社長)が研究している乳酸菌が、今月末に打ち上げ予定のロシアのロケットで“宇宙旅行”することになった。4月1日に発売される「土佐宇宙酒」に続く、県内宇宙ビジネスの第2弾。吉沢社長は「菌がどう変化するか興味深い。面白い展開になれば」と話し、世界初の“宇宙ヨーグルト”の商品化を目指している。

 計画は、宇宙ビジネスで県内の産業活性化を目指す「県宇宙利用促進研究会」(会長=鈴木朝夫・県産業振興センタープロジェクトマネジャー)が、仲介業務を請け負う「有人宇宙システム」(東京都)の協力で企画。両者は宇宙酒計画を進めており、その関連事業として第2弾を打ち上げることになった。

 今回の“乗組員”は、ひまわり乳業が奈良漬けから独自に採取した乳酸菌と、市販のヨーグルトに使用されている乳酸菌。宇宙空間での変化を想定し、菌は寒天培地に入れて生きた状態にしたものと、凍結乾燥させて冬眠状態にしたものの計4種類を用意している。ほかに研究材料として高知大農学部のクロレラなども搭載される予定。

 22日に高知市布師田の県工業技術センターで規定の容器に詰め、宇宙システムがロシアのバイコヌール基地へ運ぶ。31日に発射予定のソユーズロケットで宇宙に出発。1週間の宇宙旅行を経て4月半ばに県関係者に引き渡される――というスケジュール。ひまわり乳業が菌の変異や安全性の検査を行った後、今年中に世界初の宇宙ヨーグルトの商品化を目指す。

 吉沢社長は「宇宙で何が起こるか分からない、というのが楽しみ。味がよくなったり、免疫性が高まるかも」と期待を膨らませている。(高知新聞)

(編集者コメント:興味のある実験である。中国ではこの種の実験は自国のカプセルで数ヶ月間宇宙に滞在させて行っている。宇宙線や無重力の影響が遺伝子にどのように影響を与えるかということであるが、1週間ではちょっと短すぎるような気も・・)