2006-03-05 ロケット破片落下の町村に保証金支払い:ロシア

かつて、旧ソ連は世界に先駆けて衛星を打ち上げ、更に人類史上初めて人間を宇宙に打ち上げる偉業を達成し、栄光の時代を謳歌してきた。

しかし、その裏では大きな一般市民の犠牲が伴っていることは最近まで表に出ることはほとんど無かった。そのような中、ロシア官僚主義体制にとって画期的な出来事が伝えられた。

カザフスタンのバイコヌール宇宙基地からロケットが発射される度に、その飛行経路に沿って存在する町村には大小さまざまなロケット部品や破片が落下している。6メートルもある燃料タンクも落下する。さらに有害な燃料の一部も飛散してくる。

ロシア政府はこのたび、飛行経路に該当する35の町議会に対し、これらのロケットゴミの除去費として各々6300ポンド(130万円)を支払う決断をした。これはモスクワの官僚組織に対して一般庶民が打ち勝った珍しい例である。しかしながら、損害を主張する団体の代表者らは、人間や動物の病気を引き起こす損傷の原因に対して貧しい補償であると主張している。

活動家によると、損害や病気の数字的統計は明らかではないが、近隣の病院では甲状腺がん、気管支障害、神経系障害の患者が他のロシア地域よりも高いとしている。また、学校の教師によると、打上げ後には吐き気、頭痛を訴える生徒が増えるし、地元に医師によると、飛行経路の地域では、奇形児の出生率が高いとの報告がされている。

シベリア環境保護団体「Katun」の代表は、世界的なロケットの打上げ回数を削減することに合意すべきであろうと主張している。