2005-06-15 飛行機から宇宙船を発射、新方式の分離テストに成功

将来の宇宙観光飛行をめざして新方式の飛行機発射型ロケットを開発していた米スケールド・コンポジッツ社などのベンチャー企業チームが、カリフォルニア州で行ったロケットの分離テストに成功した。

 企業チームは昨年10月、民間宇宙船として高度100キロの有人宇宙飛行一番乗りを果たした。14日に行われたテストの成功は、安全なロケット開発への一歩で、宇宙観光飛行の実現にまた近づいたという。飛行機発射型ロケットは分離後、宇宙へ向けて機首を上に向ける必要がある。新型ロケットは飛行機の後方に落下後、エンジンの重量とパラシュートによる制御だけで、上向きに方向転換することに成功した。飛行機発射型ロケットはこれまでもあったが、機体に取り付けられた翼を動かして姿勢を変えており、分離後のエンジン噴射で飛行機の前を横切るなど、安全面に課題を残していた。(Yomiuri)


(編集者コメント:このベンチャー企業はt/Space(ティースペース社:Transformational Space Corp.)で、スケールドコンポジットとAirLaunch LLCとの合弁会社。AirLaunchは米国防総省下のDARPAとの研究契約で、次期宇宙輸送システムを開発している。t/space社は、シャトル引退の2010年から、新型CEVの運用開始までの数年間の空白期間を穴埋めする宇宙輸送ビジネス獲得を狙っている。しかし、NASAはグリフィン長官のアイディアもあって、現在のシャトルの技術を再利用した宇宙輸送システムの開発を進めようとしている。このような民間企業による宇宙輸送システム開発は、アビエーション産業の次に来る米国独占産業とも言える。パイオニアを尊重し、政府もバックアップする社会風土ならではの技である。)