2005-04-23 国際宇宙ステーション:日本食が通常メニューへ

 宇宙で、おにぎりやサバのみそ煮をどうぞ−−。日米など15カ国が共同で運用する「国際宇宙ステーション」の通常メニューに日本食を加えることを、計画に参加する国・地域の専門家が集まる「多数者間医療パネル」が決めた。日本人宇宙飛行士が、自分だけの特別食としてスペースシャトルでカレーや日の丸弁当を食べたことはあるが、各国の飛行士が自由に味わえるステーションの通常メニューに、日本食が登場するのは初めてだ。

 ステーションの通常メニューは現在、米国とロシアの料理だけだ。しかしステーションには各国の飛行士が入れ替わりで、半年前後も長期滞在する。このため、多数者間医療パネルが「各飛行士の好みに合わせた食事が望ましい」と提言。「米露の食品が中心だが、日本、カナダ、欧州の食品も追加可能とする」と、各国料理を通常メニューに加えることを認めた。日本は07年にステーションに取り付けられる実験棟「きぼう」を打ち上げる。その後、日本人宇宙飛行士がステーションに乗り込むのに合わせて、日本食が採用される見通しだ。

 採用が検討されているメニューは、山菜ごはん、さんまのかば焼き、緑茶、5月に打ち上げ予定の米スペースシャトルに搭乗する日本人宇宙飛行士の野口聡一さん(40)がリクエストしているラーメンなど35品。米露の宇宙食は高脂肪高カロリーのものが多く、ヘルシーな日本食には他国の飛行士の期待も大きいという。宇宙飛行士の毛利衛さんは「味が繊細で健康的な日本食という『文化』が宇宙開発に貢献できる意義は大きい」と話す。

◆開発中の宇宙日本食

【主食】おにぎり、白米、赤飯、山菜ごはん、白がゆ、紅ざけがゆ、玄米がゆ、しょうゆラーメン、カレーラーメン、シーフードラーメン【副菜】完熟トマトと魚介のリゾットソース、五目ごはんソース、ビーフカレー、ポークカレー、チキンカレー、いわしトマト煮、さばのみそ煮、さんまかば焼き【汁物】卵スープ、わかめスープ、すまし汁【デザート】ソフトクッキー(ブルーベリー、ごま)、黒あめ、ミントキャンデー、練りようかん、クリようかん【飲料】緑茶、ウーロン茶【機能性飲料】野菜ゼリー(ニンジン、リコピン強化)、アミノ酸ゼリー【調味料】トマトケチャップ、野菜ソース、マヨネーズ(毎日)