2005-03-21 ロシアの新型シャトル、愛知万博で初お目見え

アーティストドローイング 帰還宇宙船 パラシュートで減速し、滑走路に着陸

ロシアは独自のスペースシャトルとなるクリッパ(Kliper)を開発しているが、その実物大が愛知万博に展示されそうである。実現すると、ベールに包まれていたロシア版シャトルの全容が世界で初めて公開されることになる。運搬には13のコンテーナを使用して17トンもの部品を輸送することになる。

「最初の計画はレ・ブールジェ航空宇宙ショーでKliperを表示することだった」とヴラディーミルStrashko(EXPOのロシア広報委員)はのべた。「しかし、我々は、EXPO-2005で宇宙船の標準サイズのモデルを最初に公開することに決めた」

Anatoly Perminov(連邦宇宙機関(Roskosmos)長官)は「Kliperの運命は国際宇宙ステーションへのフライトだけでなく月へも飛行できるが、そのことは基本的に既に決定されていたと。

Energiyaロケット&スペース株式会社によって開発されていた新しい宇宙船は、かなり快適になる。通常の宇宙船は現代人には狭苦しい生活空間を強いていた。新しいシャトルは、ちょうど定期客船中のように、6人の乗組員のための安楽椅子を備えた新しいカプセルを備えている。

新しい宇宙船は通常の航空機のように、最上の滑走路を備えた飛行場に着陸することができる。ロシア版は米国シャトルより安くなる。新型シャトル開発するRoskosmos首脳陣の望みは恐らく米国のシャトルに関する問題による。大部分はISSの運命を決定する。2003年2月1日のコロンビア事故後初のシャトル打上げは、今年5月中旬あるいは6月初旬に予定されている。

ロシアとしては米国の最新鋭シャトル打上げが再開される前に世界にロシアの技術を世界中に明確にしたいと考えている。NASAは国際宇宙ステーション完成の責任を果たすと公約している。しかしながら、ISSへ輸送する手段は現時点ではロシアに100パーセント依存している。またシャトルの次にくる宇宙輸送機開発は遅れ気味であり、ISS完成後の数年間は米国は輸送手段をまったく持たなくなる。現在のソユーズが何らかの問題を発生した場合は、ISSはまったく孤島になってしまう。

Kliper(またはClipper)は、ロシアが開発を計画している有人宇宙船。6人乗り(うち2名はパイロット)で、国際宇宙ステーション(ISS)への乗員の輸送や宇宙観光旅行のための利用を想定している。軌道上へ打ち上げ可能な貨物の重量は700kg、打ち上げにはOnegaロケット(こちらも開発予定)を使用する予定。主要な諸元(予定)は以下の通り

−重量:14.5トン
−打ち上げ重量:700kg
−回収重量:500kg
−打ち上げ回数:25回
−長さ10メートル、最大直径3.06メートル
−自律飛行期間:10日間
−予想開発コスト:100億ルーブル