2005-02-24 スペースプレーン実現間近

再使用可能で、搭乗者を地球の端、宇宙の始まりの空間まで運ぶスペースプレーンがゆっくりとだが現実になりつつある。オクラホマを拠点とするロケットプレーン(Rocketplane)社は水平離陸、水平着陸によって高度約100kmまで乗員を運ぶRocketplane XPを開発している。2月中中旬にアルバカーキで開催された宇宙技術国際フォーラム(Space Technology & Applications International Forum;STAIF)では商業宇宙観光が話題のひとつとなった。

同社設立者の一人で営業責任者のCharles Lauerによると、同社はスペースプレーン開発に過去10ヶ月で$4Mを支出している。総投資額は$30Mで、XP一号機の製造、試験飛行、そして最初の利益確保まで実現させる。また、オクラホマ宇宙港から再使用型準軌道宇宙観光ビジネスを開発するために、オクラホマ州から$13Mの投資税額控除措置を受けている。

XPの胴体は、リアLear25シリーズで、標準商用ジェット機で使用されているゼネラル・エレクトリックCJ-610ターボジェットエンジンと同じものを使用している。この強力なエンジンは離陸に使用され、ロケットエンジン点火の後にシャット・ダウンされる。

このジェットエンジンは、再突入開始後、宇宙港の滑走路を目指すために再スタートされる。ロケットエンジンは以前打上げに成功したスペースシップワンで使用したJ-85エンジンの非再燃焼タイプを使用する。機体にはLearジェットの機体に新たに三角翼を取り付ける。ウィスコンシンのオービタルテクノロジー社は渦流ロケットエンジン技術を提供している。

搭乗価格は$150000から$160000を目標にしている。現在に航空機のように、燃料補給してすぐ出発できるとすると、年間200人を打ち上げることが可能としている。また、2機が製造されると、宇宙観光飛行と、科学目的に微小重力実験の専用機としても利用可能。

昨年、ロケットプレーンとインクレディブルアドベンチャー社は販売契約を調印し、両社による予約販売を発表した。イン社代表によると、宇宙飛行を熱望する人は教育レベルが高く、強い動機付けをもった人物と予想している。危険をかえりみず、スリルを好み、冒険心旺盛な人々であり、カメラをぶら下げたただの旅行者とは異なるとみている。

そして宇宙観光の販売は容易ではなく、楽しむことに否定的な人々はどこにでも存在するが、そのほとんどは弁護士、保険会社、そして政府公務員たちであると見ている。宇宙サービスを民間に販売する場合はいつでも障害のあることを覚悟しなければならない。準軌道飛行はバケーションではなく、一生の間に抱く冒険という夢の実現である。そしてその夢を実現するために高額を支払う。

(編集者コメント:日本でも宇宙旅行を注目してはいるが、禁欲的な社会風土、余裕の無いビジネス風土、億万長者を生み出しにくい経済企業体制等からみて、実際に飛行する人物は多くは無いであろう。先日、中国の若い観光客がロシアで無重力体験ツアーに10人が参加したと報じられている。結構高額の体験スアーである。「お金持ちの日本」からはだれも参加していない。日本人の遺伝子には「冒険」というものが組み込まれていないのかもしれない。むしろ「安定」「調和」「平穏」「無難」といった農耕民族特有の精神文化を基礎としていることから、「モンゴロイド系農耕民族向け宇宙開発」というシナリオが必要では? それこそ狩猟民族系のアングロサクソン系宇宙開発とはことなる新しい宇宙開発の方向性を生み出せるかもしれない。)