2005-02-20 ブラジル:中国と急接近 人工衛星や原子力などで協力

ブラジル科学技術省のエベルトン・フラスク主任顧問(国際関係担当)は18日、ブラジリアで毎日新聞と会見し、中国と共同開発した資源探査衛星を06年から2年に1度の頻度で打ち上げる方針を明らかにした。また、ブラジルの原子炉部品の対中輸出など原子力の平和利用でも協力を進める考えを示し、「対中協力を、南南協力(途上国間の協力)を世界に示す模範例にしたい」と訴えた。

 フラスク氏は03年1月に発足したルラ現政権が対中協力に積極的な理由として「アジア、アフリカ、ラテンアメリカとの関係強化を図っており、中国への接近はその第1段階だ」と説明。経済貿易協力に続き、科学技術やエネルギー分野でも中国と協力する方針を示し、「これを足がかりに、インド、南アフリカなど他の新興市場にも技術協力を広げる方針だ」と語った。

 宇宙分野での協力については06年10月ごろと、08年に中国と共同で資源探査衛星を中国のロケットで打ち上げる計画があることを明らかにし、「当面2年に1度のペースで打ち上げる」と述べた。ブラジルと中国は99年と03年に中国と共同開発した資源探査衛星を中国から打ち上げ、後続衛星を共同開発することでも合意している。

 フラスク氏はさらに中国との原子力技術協力に関して「まだ交渉段階だが、ブラジル製の原子炉部品の対中輸出や製薬分野での放射線技術の協力などの具体化を急いでいる」と述べた。(毎日)