2004-08-27 国産軽飛行機開発の夢、大空に散る

 国産の軽飛行機の開発に取り組んでいる教授らの夢が空しく崩れ落ちた。27日午後12時35分頃、テスト飛行中だった航空宇宙研究院所属の軽飛行機「ボラ(bora、ギリシャ語で『北風』の意)号」が京畿(キョンギ)道・高陽(コヤン)市の自由路チャンハンサービスエリアから金浦(キムポ)大橋方向の300メートル地点の葦原に墜落した。

 この事故で飛行機を操縦していた韓国航空大学の殷熙鳳(ウン・ヒボン/47/航空運航科)教授と黄明信(ファン・ミョンシン/52/機械工学科)教授が死亡した。ボラ号はこの日午後12時20分頃、京畿道・高陽市の韓国航空大学を離陸し、10分余周辺を巡回したと航空大学管制教育院は伝えた。

 航空大学管制教育院のイ・ヒョンジョ(57)教官は、「離陸してから約10分後に交信を試みたが、返事がなかった」と話し、近くの軍部隊は「ボラ号の航跡がレーダー網から午後12時25分頃消えた」とした。これに続き警察にも「12時35分頃、飛行機がチャンハンサービスエリア近くに墜落したようだ」という通報が入った。

 警察は通報を受けた後、この付近の捜索を行い、この日午後1時50分頃、事故現場から飛行機の胴体と切断された後尾を発見した。警察は殷教授らの飛行経歴が豊かである点から見て、機体に欠陥があった可能性についても捜査している。事故機はテスト飛行中だったため、ブラックボックスを搭載しておらず、原因究明にはかなりの時間がかかる見通しだ。

 4人乗りレジャー飛行機のボラ号は、航空宇宙研究院と空軍士官学校、建国(コングク)大学が国内需要と海外輸出を見据え、科学技術部の支援を受けて1999年12月から共同開発してきたものだ。ボラ号は6月19日、処女飛行に成功した後、今回で4度目の飛行だった。9月3日には一般に公開される予定だった。航空大学は「今回犠牲になった教授らは、これまで国産軽飛行機の開発に渾身の力を注いできた“フロンティア”だった」と哀悼した。