2004-04-23 日本宇宙旅行協会、NPO設立。お披露目も(スペースレフ)

雨がぱらつくこの時期としては肌寒い中、東京、青山のTEPIAにて日本宇宙旅行協会設立セロモニーが盛大に行われた。代表と勤める五月女氏は川崎重工に勤務していたエンジニアで、宇宙空間に浮遊するエンターテイメント用宇宙施設の構想を具体的に描いている。球状をした構造体は透明な材料で被われており、内部で浮遊する旅行者は360度の宇宙パノラマを楽しむことが出来る。

 日本宇宙旅行協会は、宇宙建築家で宇宙旅行の事業家でもあるジョン・スペンサー氏が主催する宇宙旅行協会(Space Tourism Society:STS)の日本支部となる。セレモニーの招待講演者として、日本で唯一の有人宇宙旅行船「観光丸」の開発者である磯崎弘毅氏(元日本ロケット協会会長)、日本で唯一再使用型ロケットを実験している稲谷芳文教授(宇宙航空研究開発機構 航空宇宙技術研究本部)、世界でただ一人、宇宙旅行を経済学的視点で研究しているパトリック・コリンズ教授(麻布大学教授)らが講演した。NPOの設立には武蔵工業大学の富田教授が協力している。

 米国では、連邦航空局が民間の宇宙飛行会社の打上げライセンスを許可している。今後、準軌道(約高度100km)までの宇宙旅行が活発化すると、これまで空論でしかなかった本格的宇宙旅行事業が活発になる布石と成り得る。もしかすると100年後の人間の活動の革命的時代に突入しているのかもしれない。

 かつての産業革命を当時の誰が意識していただろう。日本は歴史的に見て、革命的時代には名前が出てこない。海外の技術を真似たことで多くの実績を残したとして多くの歴史的人物が書物に載せられている。新しい時代を切り開く人物を生み出す土壌が日本にも求められているのかもしれない。

日本宇宙旅行協会としては、定期的にシンポジウム、ニュースレタ発行、そしてカリフォルニア宇宙旅行関係機関や施設を含めた旅行ツアの企画を継続的に行っていく予定である。

さらに詳しい情報は、下記のアドレスまで。

日本宇宙旅行協会 http://www.uchutaiken.com
米国宇宙旅行協会 http://www.spacetourismsociety.org