2016-03-08 中国、宇宙強国へ…今後5年で打ち上げ110回

全人代代表で、中国有人宇宙プロジェクト総設計師(技術部門トップ)の張柏楠氏は6日夜、本紙の単独インタビューに応じ、2020年前後の中国独自の宇宙ステーション完成に向けた開発スケジュールを明らかにした。

経済減速の中でも、「宇宙強国」(習近平シージンピン国家主席)を目指した積極的な開発を続ける計画だ。

 張氏によると、まず年内に宇宙ステーションや月探査機を運搬可能な「長征5号」、有人宇宙船の運搬などに使う中国初のデジタル化ロケット「長征7号」を打ち上げる。更に宇宙実験室「天宮2号」、飛行士2人が乗る有人宇宙船「神舟11号」を相次ぎ打ち上げ、ドッキング実験も行う。

 17年は宇宙長期滞在に向けた燃料、食料などの補給品を運ぶ宇宙貨物船「天舟1号」を打ち上げ、「天宮2号」への補給実験を実施。宇宙ステーションの中核船体を18年に打ち上げ、20年前後に全体を完成する。日米などが参加する国際宇宙ステーションの運用は24年までで、新たに建設される中国のステーションが存在感を増すのは確実だ。月探査計画も並行して進め、17年には無人探査機「嫦娥じょうが5号」で月面サンプルを採取し、18年に世界初の月の裏側への探査機着陸を目指す。

 中国は今回の全人代で採択する経済・社会政策の指針「第13次5か年計画」(16~20年)でも、「宇宙分野の革新的な新技術開発の加速」を掲げる。長征ロケットでの衛星打ち上げ回数は、「(計画の)5年ごとに倍増」(張氏)しており、今後5年も110回の発射が見込まれるという。(読売)