2010-08-12 米国陸軍、超小型衛星事業再開の動き

衛星開発を中止してかた50年を経て、米国陸軍は今年9月、そして来年の秋にも続けてナノ衛星を計画している。主に通信技術とリモートセンシング技術の実証が中心となる予定。

開発担当は陸軍宇宙ミサイル防衛コマンド(Army Space and Missile Defense Command:SMDC)が担当。SMDC作戦ナノサテライトエフェクト(SMDC-Operational Nanosatellite Effect:ONE)プログラムで実施予定の衛星開発では、当初は超小型通信衛星を数機開発し、打上げは今年9月23日の予定。打上げはFalcon9ロケットを使用し、SpaceX社開発のドラゴン輸送カプセル打上げに相乗りペイロードとして搭載される。

さらにONE衛星2機が来年秋に打上げ予定であり、Falcon-1eロケットに相乗りペイロードとして打上げられる。主ペイロードは米陸軍開発の大型実験画像収集衛星になる予定。

9月の打上げでは、大型スパイ衛星を開発している国家偵察局(NRO)の実験向けキューブサット2機、そしてロスアラモス研究所の2機が同じく相乗りペイロードとして搭載される。

SMDCは2008年以来ONEプログラムを実施しており、契約先民間企業としてMiltec Missicles and Space社に設計と開発を委託している。すでに10機の3Uキューブサットを納入済みである。3Uとはキューブサット3機を連結させたもので、食パンの大きさ。1年の開発後、Miltecはエンジニアリングモデル2機と飛行性能評価衛星8機を2009年9月に納品済み。衛星コストは研究開発コストを含んで1機当り7000万円程度、今後複製することでコスト低下になる。

ONEプログラム衛星は低速通信能力を実証するためのもので、無人地上局や貨物専用コンテナ等の低レベルエミッタからのデータ送受信を実験する。

来年秋にFalcon-1eで打ち上がられるONE衛星2機の内、1機は今年9月に打上げられる衛星の複製であり、もう1機は国防総省のORS(Operationally Responsive Space:ORS)局によって開発された新たなソフトウェアによる無線ペイロードを搭載した衛星となる。打上げはORS局が管理し、ミッション名もORSイネーブラ(Enabler)ミッションとなる。このミッションではウェハーアルミニウムディスクと呼ばれる新たなペイロードアダプタを初めて取り入れる。このアダプタには最大8機の3Uキューブサットを搭載することが可能。2台のウェハーに8機づつ、合計16機のペイロードを組込み、ロケットの上段と主ペイロードの間に積み重ねる。

ORSのイネーブラミッションに搭載されるペイロードはSMDCの実験用ケストレスアイ(Kestrel Eyeイメージング衛星で、メリーランドエアロスペース社が製造した。14kgの衛星は地上分解能1.5メートルの能力を持ち、飛行軌道パスの下に位置する地上局に画像データをダウンリンクする。

次世代の衛星としては高周波数ダウンリンクアンテナとリアクションホイールをベースにした姿勢制御システム等の改良技術を搭載する予定。