オバマ政権の米宇宙プログラムに関して月有人ミッションをキャンセルするとの決断を受け、ボールデンNASA長官は、新しい大型ロケットを開発することを放棄していないと発言している。ただし、コンステレーションプログラムで開発されていたアレス5大型ロケットのサブシステムを利用したとしても、新型ロケットが打ち上がるのは2020年以降になるだろうし、ましてや低軌道を越えた有人打上げとなるとさらに10年から20年は先になるだろうとのこと。
さらに、NASAの宇宙飛行士は著しく削減されるだろうし、おそらくは民間セクターに移管されることも有り得ると認めている。だた、オバマはNASAの有人宇宙プログラムを本質的に中止するとは考えていないし、開発を加速するために6000億円規模の追加予算も予定されている。つまり有人宇宙飛行を中止するのではなく、さらに拡大せよ、ということだと述べた。
NASA管理職や技術者らは、オバマが提案した劇的な政策の転換に対して具体策を策定しようと先を争っている。2011年の予算が提示され、コンステレーションプログラムの有人宇宙ミッションをキャンセルした後の方向も限られており、さらに宇宙への民間セクターの参加が具体的に見え始めている。多くのNASA上級管理職は政策変更について質問されると当惑していた。NASAの政策責任者はホワイトハウスのOMB(予算管理局)とOSTP(科学技術政策局)と作業を共にして詳細を理解しようとしている。彼曰わく、NASAは推進と技術という意味で投資する分野を注視している。何かに完全に釘付けにされているという感じでもない、と述べている。
宇宙科学者や技術者らはハワイに未来の月ミッションの実験場を建設した。これはNASA、カナダ宇宙局、ドイツ航空宇宙センター、ハワイ大学が協力して、太平洋国際探査システム宇宙センター(Pacific International Space Center for Exploration Systems:PISCES)が出来た。ディレクタのフランク・ショーベンゲルトは、地球上で月に住みたい人々を世界中から招待したいと述べている。
ESAは、昨年の11月に打上げた軌道技術実証プログラムの一環としてフォーメーション飛行を実証するための2機の小型衛星を開発する予算を今年度要求する。もともとはベルギー政府の後押しもあり、プライムコントラクタを引き受けたいベルギーの積極姿勢もあり、ESAのProba衛星シリーズがミッションのレギュラー衛星になるというもの。この衛星は一時は小さすぎるという指摘もあった。Probaプログラムの最終目標は軌道上での新技術実証にある。
ロッキードとKamanエアロスペース社は、ユタ州の陸軍ダグウェイ実験場にて、無人ヘリコプタ実証実験として一連の飛行試験が成功したと発表した。事前にプログラムされ遠隔制御飛行を実証した。最近は無人ヘリコプターの需要が高まっており、特に最近に二つの戦闘で死傷者を少なくするために有効との認識がある。ロッキードによると、海兵隊と米海軍が何を必要とするか決定する予定だし、1~2社と契約すると見込んでいる。
(編集者コメント:Kamanエアロスペースは、Kaman社の子会社。無人用K-MAXヘリコプターで、アフガニスタンの前線作戦基地に兵士を送り込む予定。)
イランは監視及び攻撃能力を備えた無人飛行機の製造ラインを二つ建設した。イランの防衛大臣が発表したもの。公表されたUAVの一つは攻撃能力を備えている。しかしイランはたびたび軍事産業によって製造された機器について発表しているが、そもそも実戦に使用できる価値ある兵器を独自で製造することは不可能である。さらに、イランはかつてロシアの発注したS-300システムよりもより強力なミサイル防空システムをまもなく配備する、と公表している。これも実質不可能である。
土星の月、エンケラドスに液体の水の存在の可能性が確認された。NASAのカッシーニ探査機は、氷火山から吹き上がった氷の煙流の中を飛行し、マイナス電荷の水分子を検出した。これは明らかに地下には海が存在することの徴候である。つまりこの現象は流れる水の存在無くしてあり得ない現象である。またカッシーニ科学者によると、カッシーニが収集したデータによると生命に必要な炭素や水を液体に保つ熱源の存在の可能性もあると期待を寄せている。似たようなマイナス電荷のイオンが土星の他の月であるタイタンでも発見されており、この惑星は厚い大気で覆われた太陽系唯一の月である。
ボーイングはNASAの50億円規模予算で行われている商業乗員開発計画(Commercial Crew Development:CCD) のカプセルの概念設計を発表した。カプセルは7人乗りでアポロカプセルより一回り大きい。異なるロケットで打上げ可能で、無人の貨物用カプセルにも利用可能。ボーイングは開発に際し、ビゲローエアロスペースと共同作業となり、NASAの予算18億円に合致している。
英国の宇宙産業は世界の中でより大きく成長し、より高度に熟練した数千人の労働者を雇用し、恐らく年間40Bポンドの売上げを確保するであろう、という報告書が発表された。宇宙革新成長戦略報告書である。(Space Innovation Growth Strategy report)SIGSによると、産業界の中で研究開発向け投資が5Bポンドに達し、政府側は今後10年間で550Mポンドを年間民需宇宙予算に割り当て、従来の2倍に達する。報告書で提言として、国家宇宙機関の設立と国家宇宙政策の策定である。そして研究によると、もし宇宙への投資が政府も民間も開始しないと、現在の競争から完全の取り残されるだろう。