米国の軍事向け宇宙航空分野雑誌 「Aviation Week and Space Technology」によると、米諜報機関は、高度８００km以上を飛行する中国製の古い気象観測衛星を目標にして、弾道ミサイルに動作停止装置を搭載させて衛星を破壊する試験に成功したと信じえる情報を得たと報じた。
CIA、NSA（National Security Agency）、DIA（Defense Intelligence Agency）、NASAその他の政府機関が総動員して情報収集を行っている。もしこの試験実施が証明されれば中国は大きな軍事能力を手に入れたことになる。
米国は中国が地上のレーザーを米軍事衛星に照射したとする情報について軍関係機関はコメントを発表していなかった。ブッシュ政権がここ１０年間で最初の国家宇宙政策を発表した背景に、こうした中国の軍事宇宙技術の急速な発展が存在する。
情報筋によると、破壊ターゲットとなった衛星はFeng Yun 1C (FY-1C)極軌道気象衛星で１９９９年に打上げられた。ASATシステムは西昌宇宙センター近郊から打上げられたとされている。
静止軌道上の米空軍防衛支援プログラムミサイル警戒衛星はこの破壊ミサイルを感知しているはずで、また空軍宇宙コマンドも、破壊前と後のFY-1Cの軌道を観測している。