2004-12-09 ハッブル望遠鏡は「有人で改修を」:ロボット案退ける

 全米科学アカデミーは8日、老朽化が進むハッブル宇宙望遠鏡の改修をめぐり、「スペースシャトルで飛行士を送って改修するのがベスト」という報告書をまとめた。ロボットによる改修構想は「技術面で確実性に欠ける」と退けた。

 報告書は、過去にも米航空宇宙局(NASA)がシャトルを飛ばしてハッブル望遠鏡を改修した点を指摘。国際宇宙ステーション(ISS)への飛行とリスクがほとんど変わらないとして、「ハッブル望遠鏡の価値を考えると、有人飛行による改修はリスクを負うに値する」と結論づけた。

 コロンビアの事故でシャトルの飛行は中断されたままだが、報告書は「飛行再開後すみやかにハッブル改修作戦を実施するべきだ」とNASAに勧告した。

 ロボット作戦には、複雑で先進的な技術革新に手間取って改修が手遅れになる恐れを指摘。「望遠鏡が寿命を迎えた際、軌道を外す作戦に限って使うべきだ」とした。

 部品を交換しないと望遠鏡は07〜08年に使用不能に。NASAはコロンビアの事故後、予定していた06年の改修を中止して、望遠鏡を引退させる姿勢を示した。議会や科学界からの反発で、同アカデミーが改修の是非を評価した。(asahi.com)