2004-03-24 総務省:アジア超高速情報網を構築へ:07年度目標

 総務省は23日、日本を軸にアジア地域を光ファイバー回線と超高速インターネット衛星で広域ネットワーク化する「アジア超高速情報網」を、07年度にも構築する方針を固めた。同省は、アジア諸国の情報インフラ整備と情報格差の解消を図る「アジア・ブロードバンド(高速大容量通信)計画」を推進しており、超高速情報網の実現はその核になる。26日には大手通信、放送、電機メーカートップなどで構成する推進会議を発足させ、7月をめどに具体策を提言する予定だ。

 日本とアジア諸国を結ぶ情報ネットワークは現在、中国、韓国、シンガポールとの間に光ファイバー回線、東南アジア6カ国との間に衛星回線があり、インターネットの次世代規格「IPv6」に対応した高品質の音声・映像の伝送や遠隔教育・医療の実験などが行われている。

 総務省は、実験のための回線容量を10倍以上に拡張し、ハイビジョン級の動画の送受信を可能にする計画だ。具体的には、07年度をめどに(1)東南アジアなど数カ国との間に、新たに光回線を構築(2)現在の衛星回線に加え、開発中の超高速インターネット衛星「WINDS」の高度利用――を実現し、日本を軸にアジア各国間を密接につなぐ「超高速情報網」の形成を目指す。

 総務省は、ブロードバンド先進国である日本の技術やノウハウを提供することで、「日本発の新IT(情報技術)社会を、アジア各地で花開かせる」(総合通信基盤局)考えだ。

アジア・ブロードバンド計画は、アジア地域内の情報の流通を活発にし、アジア全体が世界の情報拠点になることを目指し、03年3月、総務省と関係府省が策定したIT(情報技術)普及計画。2010年を目標に、アジアのすべての人々がブロードバンドを利用できるようにすることなどを目標に掲げている。(毎日)