2004-01-15 米大統領、新宇宙政策発表 月面基地や火星有人探査
ブッシュ米大統領は14日午後(日本時間15日朝)、ワシントンの米航空宇宙局(NASA)本部で演説し、月面基地建設や火星有人探査などの大胆な内容からなる新しい宇宙開発政策を発表した。
それによると、早ければ2015年、遅くとも20年までに再度、宇宙飛行士を月に送って、月面基地を建設。これを足掛かりにその後、人間を火星に送る。
大統領はさらに、05会計年度(04年10月―05年9月)からNASAの予算を増額することや、現在のスペースシャトルを10年で退役させ、これに代わる新たな多目的有人宇宙船を開発する方針も明らかにした。
だが、膨大な予算に加え、技術的な困難さも大きく、計画の実現を危ぶむ声も根強い。
人類が他の天体に降り立ったのは1972年の米国のアポロ17号が最後。その後の有人宇宙開発は、スペースシャトルや国際宇宙ステーションなど、地球周回計画にとどまっている。
ブッシュ政権は昨年2月のスペースシャトル「コロンビア」の空中分解事故以来、米国の宇宙開発政策の全面的な見直しを進めてきた。(共同)