2003-11-06 中国の月探査計画、約3年後に衛星打ち上げの可能性

中国月探査活動の首席科学スタッフを務める欧陽自遠・中国科学院院士(アカデミー会員)はこのほど、月探査計画「嫦娥(じょうが)計画」について、「現在急ピッチで進行中。最初の月探査活動は約3年後に実現する見込み」と説明した。

欧陽院士によると、月探査衛星「嫦娥1号」プロジェクトに採用される技術の大部分は、すでに完成された現有の技術であり、解決が難しい技術的な課題はなく、決定的な技術的トラブルもないとみられる。ただ、同プロジェクトで行われる月探査衛星の打ち上げや、月周回軌道の運行に向け、衛星に搭載する設備、軌道運行や打ち上げ、回収に関連する一連のシステム完成のために長い時間が必要となる。

月探査活動と宇宙飛行士による月面着陸はイコールではない。中国の月探査計画は、短期的には無人探査を原則とし、軌道周回計画、着陸計画、帰還計画の3段階に分けて実施する。

軌道周回計画――中国初となる月面探査衛星の開発・打ち上げが課題。月面全体を対象とした総合的な探査により、月面の3D映像を作成することが目標となる。

着陸計画――月面軟着陸設備を備えた衛星を使い、月面への着陸、月面探査車による地上巡回探査を行う。

帰還計画――月面への軟着陸を行った後、採取した貴重なサンプルを小型帰還モジュールを使って地球に持ち帰る。

現在、月面探査計画は軌道周回の段階を目標として進められている。(人民網)