2002-12-03 人工衛星:町工場の開発協同組合を認可 首相が“お墨付き” 

 町工場の人工衛星計画に、首相が“お墨付き”――。東大阪市などの中小企業経営者が進める人工衛星開発計画で、中小企業等協同組合法に基づき大阪府に申請していた「東大阪宇宙開発協同組合」の設立が認可された。メンバーは3日、小泉純一郎首相に報告、励まされた。

 旗振り役は、飛行機部品製造「アオキ」(東大阪市)の青木豊彦社長(57)。「宇宙関連産業を地場産業に」を合言葉に仲間を募った。大阪府立大大学院の東久雄教授(宇宙工学)のアドバイスで今年7月、「東大阪宇宙関連開発研究会」を結成。今回の協同組合の設立で、宇宙開発事業団(NASDA)などからの人工衛星の注文を協同組合が一括して受け、協力企業による部品の製造、組み立てを統括する。

 製作する人工衛星は、1辺が50センチの立方体で重さ20〜50キロ。NASDAのロケットで、3年後の打ち上げを目指す。

 青木社長は「首相から『中小企業をめぐる情勢が厳しい中で、夢のあるプロジェクトですね』と励まされた。組合が認可され、衛星製作の環境も整った。『やるぞ!』という勇気がわいてきました」と話した。

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町工場発「衛星」の夢育つ 協同組合発足へ 東大阪
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2002-11-11製作を目指す人工衛星のほぼ実物大を想定した模型=大阪市中央区で

 大阪府東大阪市の中小企業グループが構想を練っている人工衛星製作プロジェクトで、事業主体となる協同組合が今月中にも発足することになった。宇宙開発事業団(NASDA)などからの衛星製作の注文を請け、設計や製造を統括する。中小企業等協同組合法に基づく大阪府への設立申請手続きをほぼ終えており、町工場の経営者たちの夢が実現に近づく。

 名称は「東大阪宇宙開発協同組合」。東大阪商工会議所の協力で7月に設けた「宇宙関連開発研究会」(約40社)が母体となり、組合は各社の技術向上や設計にかかわる人材育成もする。

 発足時の企業は、航空機部品製造の「アオキ」、ナノテクノロジー(超微細技術)の「クラスターテクノロジー」、無線機器の「日本遠隔制御」など地元のほか、大阪市と大阪府摂津市の企業2社を合わせた6社。

 衛星は、大きさが一辺50センチの立方体で重さ20〜50キロを想定。技術を生かして小型で低費用のものをつくる。3年後にNASDAのロケットでの打ち上げを目指す。

 研究会会長、「アオキ」の青木豊彦社長は「メンバーの意気もあがっており、組合設立で計画の進行に弾みがつく」と話している。