2016-11-17 ルクセンブルク、国際法に準拠した新宇宙法により宇宙で採掘した資源の所有権を民間企業に保証

ルクセンブルク政府は、宇宙で採掘した資源の所有権を民間企業に保証する法律を可決したと発表した。民間企業が宇宙で採掘した資源について、国際法に従って所有権を認めることができることを法的に明確化した。この法律は、小惑星などの地球近傍天体(NEO)の資源探査と商業利用を目的としたSpaceResources.lu計画の一環として策定された。策定に際しては、著名な宇宙法専門家の協力を受け、宇宙条約に準拠したものとなっている。

ルクセンブルク--(BUSINESS WIRE)-- (ビジネスワイヤ) -- ルクセンブルク政府は、宇宙に携わる民間企業が宇宙で採掘した資源の所有権に関して不安を抱かずに活動できるようにする法案を可決しました。法規制の枠組みの確立は、小惑星などの地球近傍天体(NEO)の資源探査と商業利用を目的としたSpaceResources.lu計画の一環として段階的に実行される包括的戦略の鍵となります。

法案の第1条では、国際法に準拠して宇宙資源の所有権を付与することができると規定されています。これに伴い、ルクセンブルクは、特に小惑星で発見された鉱物、水その他の宇宙資源の所有権を法的に保証する欧州初の国となります。この法案は、フランス・G・フォンダーダンク教授、ファビオ・トロンチェッティ教授、アンドレ・プリュム教授を含む国内および国際宇宙法・政策分野の著名な宇宙法専門家の協力を受け、ルクセンブルク大学のマフレナ・ホフマン教授の指揮の下で実施された宇宙資源利用の法規制的側面の調査結果に基づいています。

エティエンヌ・シュナイダー副首相兼経済大臣は、次のように述べています。「新しい法的枠組みは、宇宙条約にすべて準拠しています。この法律は、領土あるいは天体に対するいかなる主権の確立または暗示を示唆するものではありません。単に、宇宙資源の所有を法的枠組みの下で規定したものです。ルクセンブルクの新宇宙法は、宇宙資源の探査と利用における欧州のハブとなることに対する当国の強力な取り組み姿勢を明確に表しています。」

ルクセンブルク大学の客員教授で弁護士のジャンルイ・シルツ氏が、法的枠組みの制定に関してルクセンブルク政府の顧問を務めました。シルツ氏は次のように述べています。「これは、非常に革新的な法律です。同時に、国際的な法的枠組みに明確に根差しています。ルクセンブルクは、法的な革新が技術的な革新の実現と評価すべき成果の達成の重要な起爆剤となることを改めて示しました。ルクセンブルク大学がこの先見的なビジョンを持った事業に貢献できたことを誇りに思います。」

法案には、宇宙資源の探査と利用を含む宇宙資源利用ミッションの認可と監督に関する規定も盛り込まれています。宇宙資源利用ミッションを計画している事業体は、決定した個々のミッションそれぞれについて認可を受ける必要があります。法律の条文には、政府が事業者の活動を監督し、事業者の権利と義務を規定できるように、ルクセンブルク内外で実施予定の活動を含むあらゆるミッションに求められる義務事項が明記されています。この法案は2017年初めに施行される予定です。

エティエンヌ・シュナイダー副首相兼経済大臣は、次のように述べています。「SpaceResources.lu計画の下での国内施策と同時に、ルクセンブルクは将来的な管理体制や宇宙資源利用に関する世界的な法規制の枠組みの制定を促進するための国際協力を引き続き推進していきます。これはグローバルな関心事であり、世界中の国々がその推進のためにこうした取り組みに参加すべきです。すでに、具体的な動きが見られます。ますます多くの国が動向に注目し、協力に具体的な関心を示すようになっています。」

さらにシュナイダー大臣は、欧州および欧州以外の国々の約20社の企業および起業家と正式な提携関係を結ぶための交渉が進められていることを明らかにし、次のように述べました。「宇宙資源の探査と利用に対して明確なビジョンを持つ米国の著名企業であるディープ・スペース・インダストリーズとプラネタリー・リソーシズの2社はすでにルクセンブルク大公国に欧州子会社を設立しており、ルクセンブルク政府はプラネタリー・リソーシズの主要株主の一人となっています。両社は、ルクセンブルクでの基盤を強固なものとするための経済および技術的資産の構築を目的に、極めて有能な人材を雇用し始めています。」

宇宙資源の調査と利用に関する法案はこちらからウンロードできます。

ルクセンブルク経済省発表

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