2016-2-17 宇宙人捜索のため中国政府が約9000人を居住地から立ち退きへ

中国は世界最大の電波望遠鏡プロジェクト「Fast(Five-hundred-metre Aperture Spherical Radio Telescope)」を2011年から始動していますが、望遠鏡の設置場所である貴州省周辺の住民9110人に補償金を渡して立ち退きさせる予定であることが明らかになりました。

世界最大の電波望遠鏡プロジェクト「Fast」は、直径500メートルの球状電子望遠鏡を設置して、宇宙空間から知的生命体によって送信されたメッセージなどを傍受することを目的としたもの。電波望遠鏡は2016年9月までに設置が完了する見込みで、直径約300メートルの電波望遠鏡を持つプエルトリコのアレシボ電波天文台を超える世界最大の観測所が誕生します。

Fastの電波望遠鏡は中国の最新技術が盛り込まれた最新鋭の電波望遠鏡となる見込みで、知的生命体の信号傍受だけでなく、火星のような遠く離れた小惑星の観測も可能になるとのことです。4450個の三角形のパネルにより構成され、もし望遠鏡をワインで満たせば、70億人が5本ずつボトルを満たすことができるほど巨大であると、Fastプロジェクトの科学者たちは主張しています。

Fastの電波望遠鏡の設置に伴い、設置場所の半径5km圏内に住む住民9110人が立ち退きとなる予定で、対象の住民に対して1人あたり1万2000元(約21万円)の補償金が出されるとのこと。ただし、住民からは十分でない補償額に対して不満が出ている模様です。