2010-07-27 アストリウム、ISSに新たな原子時計試験

アストリウム宇宙輸送部門(EADS Astrium Space Transportation)は、宇宙ステーションの搭載して作動試験を行う新世代の原子時計2台を準備している。ESAとの契約に基づく作業となる。

この45億円規模(35Mユーロ)の契約によると、アストリウムのドイツ軌道システム部は宇宙原子時計システム(Atomic Clock Ensemble in Space:ACES)の軌道上試験を実行する。このシステムは2013年末頃に日本の物資輸送無人機HTVによってステーションまで輸送される。欧州のコロンバス実験棟の外部に設置され、2年間運用する。

ACESプログラムは2種類のタイプ原子時計を数年前から開発している。一つはファラオ(Pharao)と呼ばれているもので、CNESが開発した。これはレーザー冷却セシウム時計(laser-cooled cesium)で、特に微小重力環境で使用される。二つ目はスイスのヌーシャテル天文台が開発した水素メーザー時計である。ESAはこのパッシブ水素メーザ技術をナビゲーション衛星のガリレオ軌道上妥当性検査衛星4機にもこの技術を取り入れる予定である。打上げは2011年頃である。