2008-06-05 日本のものづくり力をNASAが採用 宇宙飛行士星出さんが「きぼう」につないだネジの秘密

 宇宙飛行士 星出彰彦さんが、国際宇宙ステーション(ISS)に日本の実験棟「きぼう」を接続することに成功。接続部分に使われたネジは日本の小さな町工場の製品である。

 宇宙飛行士星出さんが日本人ではじめてISSのアームを動かすなど、注目を浴びる今回の「ディスカバー」打ち上げ。そのISSと「きぼう」を接続する「ネジ」を作ったのは、従業員数わずか22人の中小企業「株式会社田中」である。採用されたのは、チタンやステンレスの表面を硬くする「SDCプラズマ表面硬化処理」という技術だ。

 金属表面に炭素・窒素を浸入させ、表面の組織を改質する特殊技術で、セイコーやミズノがすでに採用。ほかにも、食品や半導体製造関係の業界でも活用されているという。また、SDCプラズマ表面硬化処理は、CO2を排出しないクリーンな技術でもある。

 洞爺湖サミット開催を1ヵ月後にひかえ、日本経済新聞は6月5日朝刊で「地球環境2008」の広告特集を組んだ。エコやグリーンITへの対応・取り組みは、企業イメージを左右し、ビジネスの指針を決めているといっても過言ではない。今回の田中の例のように、高い技術力とエコへの対応が可能なパートナーの発掘が、企業の生き残りを左右していくのではないだろうか。(Enterprisezine)

(編集者コメント:諸外国ならば、このような技術をもった小規模事業者が急成長し大企業に成長するポテンシャルをもっているが、なぜか日本だと潰されるか次の仕事に四苦八苦して徐々に消えてゆく中小企業の運命をたどるケースが多い。その理由は中小企業の中では周知の事実ではあるが、日本の産業構造、精神構造といった根本的な問題である。(AI))