2008-04-03. 音響カメラで世界初の宇宙ステーション「騒音撮影」

SM Instruments社、「宇宙飛行士用騒音計測器」開発

大徳特区のベンチャー企業が国際宇宙ステーションの騒音測定用のカメラを開発した。宇宙居住空間の騒音問題解決のための計測装置を製造した企業は同社が初めて。

無重力状態で宇宙ステーション内部を悠々と遊泳する宇宙飛行士の姿を見ると何の音も聞こえない宇宙空間の静寂を連想しがち。しかし宇宙飛行士が訴える宇宙生活の最大の苦痛は無重力の次が騒音であるほど宇宙ステーション内部の騒音公害は深刻なもの。

大田知能ロボット事業化センターに位置するSM Instruments社(代表キム・ヨンギ)は独自開発した「宇宙飛行士用騒音計測器」を韓国初の宇宙飛行士とともに国際宇宙ステーションに送り込む。宇宙飛行士用の騒音計測器は韓国初の宇宙飛行士となるイ・ソヨン氏の基礎科学実験のために開発された。

イ・ソヨン氏はこの装置を利用して宇宙ステーションモジュール(生活空間)内の騒音状態を計測し、これを改善するためのデータ収集を行なう。この装置は先月31日にロシア連邦宇宙庁の認証を受けて4月2日にカザフスタンの宇宙基地でソユーズ宇宙船に搭載される予定で、現在最終消毒過程を待っている。

◆ 宇宙での生活は「騒音との戦い」… 計測データの確保が必要

宇宙飛行士らは生存に必要な多くの機械、電子装置から出る騒音のせいで24時間騒音にさいなまれる。各種機器から発生する騒音は60?70デシベルに達する。これは汽車やトラックの騒音と同程度の数値。そのうえ密閉された宇宙ステーションでは騒音を外部に放出することも不可能なため特殊製作された耳栓がなければ眠ることもできないという。

SM Instruments社のキム・ヨンギ社長は「宇宙ステーションにおける騒音の実態調査はロシアも行なっていない試み。今後、宇宙生活を行なう人類が必ず解決せねばならない騒音問題に関する基本データを確保することが目的。宇宙ステーションの中でもロシア側の生活空間(モジュール)の騒音がひどいと言われている。ロシアが「宇宙飛行士用騒音計測器」を宇宙ステーションに置いて今後も使用したいと言うほど好評。これまで騒音計測器の使用は自動車メーカー、機械開発会社、各種複合計測器、PDP生産ラインなどに限られていたが今後は宇宙の騒音公害問題に対する解決策を提示するだろう」と話している。

◆ 簡単な操作… 軽量化で地上での活躍にも期待

SM Instruments社は「宇宙ステーション騒音計測器」を開発する過程で宇宙飛行士が騒音計測分野の専門家ではないという点を念頭に置き、操作が簡単にできるように製作した。また重量も1sに過ぎずロシア当局から好評を博した。宇宙船の積載空間は限られているためいくら性能がよい装置でも一定の重量を超えると積載が不可能なため。

キム・ヨンギ社長は「同一の性能を発揮する装置が従来は10s近かった。今回宇宙での使用にたえるよう努力を重ねた結果、それを1sまで軽量化することに成功した。小型化の過程でこれまで1億2000万ウォン程度で供給されていた音響カメラの製造単価も1/5に抑えることができるようになり競争力向上の効果も得た。フランスのNGOなど民間団体が「パリの騒音地図」を独自に作成して騒音問題の改善に取り組むなどさらに大衆化が進む見通し。使いやすく手頃な価格の宇宙騒音計測器が地上でも活躍することになるだろう」と述べた。(大徳)