2008-01-23 月計画ではなく小惑星探査を 米次期大統領に提案検討

月に再び宇宙飛行士を送り込むとしたブッシュ米大統領の計画に替えて、小惑星を対象にした有人宇宙開発を推進すべきだと、米国の有識者グループが次期大統領に提案することを検討していると、21日付の米航空宇宙専門誌、エビエーション・ウイーク・アンド・スペース・テクノロジーが報じた。

 日本も参加して建設が進む国際宇宙ステーションが2010年に完成した後の国際的な宇宙開発計画の新たな動向として注目される。

 米航空宇宙局(NASA)は「月に戻り、火星を目指す」としたブッシュ提案に基づき、20年までに月に人を送り込み、月面基地の開発着手を計画している。

 同誌によると、この計画は財政的な負担が大きい割には、技術的に得られる利益が少ないとの不満が専門家の間にある。これに対し、地球近くの小惑星の有人探査は、火星探査の予行演習になるほか、地球に小惑星が衝突することを避けるのに必要な技術が得られるとしている。(中日)