2005-12-07 欧州宇宙機関、2011年に火星に探査ロボット投下へ

欧州宇宙機関(ESA)は6日、加盟17カ国の閣僚級会議で2011年に火星表面に探査ロボットを投下する計画「エクソ・マーズ:ExoMars」を決定した。ロボットは移動しながら表面付近を掘り、構造や水の有無を調べる。火星には過去に大量の水が存在したことが判明しており、ロボット探査でより詳しく生命の可能性を探る。将来のサンプル持ち帰りや有人飛行に備える目的もある。

 ロボットは火星表面を自由に動き回れる小型ローバーと、岩石の形状や化学組成、気象などを自動分析できる機材で構成する。

 打ち上げロケットにはロシアの「ソユーズ」か、アリアンスペースの「アリアン5」を使う。ESAは探査計画で中国やインドの安い打ち上げサービスには依存せず、アリアンなどの実績を積み上げて欧州の打ち上げロケットの競争力向上につなげるという。

 火星探査には米国も熱心で将来の有人探査も視野に、中継拠点となる月面基地の建設計画も進めている。ESAは米国に対抗して探査に必要な技術開発を急ぐとともに、生命に関するデータ取得で1番乗りを狙う。(asahi.com)