2005-08-15 QuakeFinder、衛星利用による地震予知技術でさらに進歩

次世代Quakesat衛星

サンフランシスコ地震100周年が間近に迫り、2004年の津波被害などを考えて、このような大災害が依然として人間を襲うのか、驚きと共に不思議に感じることである。2分でも3分でも地震発生直前に非常事態や緊急避難対策が講じられたなら数千人の命を救えるはずである。数十年の研究の結果、人類はこのような大災害を予測する地震警報システムを見つけるのもそう遠くないところにきている。

民間研究企業おQuakeFinder(クウェイクファインダ)社はサーチコイル磁力計センサー技術を劇的に向上させる手法開発に取り掛かっている。この技術によって、大規模な地震が発生する数日前や数時間前に起こる地球内部や電離層の僅かな変化を感知することが可能になる。そして短期予測の基礎固めを予定している。

ク社は次世代の10ULF基準センサーを開発し実際に設定も行う予定である。このセンサーはカリフォルニアの主な断層に近い場所に設置済みのより15倍も感度が向上する。これにより、既存の世界最大のネットワークを構成している60超低周波磁力計ネットワークの空白部分を埋め合わせることになる。

ク社代表のトム・ブレア氏によると「究極的には新型基準センサーは今後10年以内に短期地震予知における基礎的技術を開発すという我々の目標に向かって一歩全するこになる。ただし震源地近くで発生する電磁気的ノイズを観測する技術が出現することを基本としてる。人々が、今日ハリケーンや台風を予測しているように、地震予報情報をテレビ、ラジオ、パソコン等で入手出来るようなるまで努力を続ける」と述べている。

ク社には、NASA、スタンフォード大、カリフォルニア大バークレ等が実施している地震前兆活動と電磁気現象との相関関係を研究する機関のひとつである。津波によってNOAAの津波研究予算が復活したが、短期地震予知タイプの研究は政府予算や民間研究予算が不足しているため研究が思うように進んでいない。

ク社のような革新的研究では、クウェイクファインダは科学者や研究者と協力するだけではなく、一般の人々からのメンバーによる地上施設への直接貢献も可能にしている。

(編集者コメント:日本の地震研究は地質学及び統計学的研究を中心にして30年以上も研究活動が行われている。しかしながら、よく地震発生時にテレビなどに顔を出す地震研究者は、「何センチ地面が動いた」とか「ここは昔から地質的に地震が起こりうる場所である」との発言しかされず、一般視聴者からみても彼らの発言に失望とあきらめ、苛立ちの心境となる。つまり、「これだけ長い研究をやっていて、狭い日本の国内でなんで事前に地震発生がわからないのか」という単純な疑問である。世界の先進国で地震多発国は日本だけである。その日本が、旧来からの地震研究に固執している体質を脱し得ないのは、日本の保守的体質と文科省下の地震研究コミュニティの行き詰まり状態との噂もある。日本の海外技術の真似優先主義とチャレンジング精神への低い評価は江戸、明治以来の官僚制度が原因であろう。記事のような衛星利用による地震予知への挑戦は米、 仏、ロシアで進行中であり、地震国でもあり宇宙開発に長い歴史を持つ日本がこのような挑戦的なプロジェクトに沈黙を守っているのは、その裏に何らかの「力」「利権」さらに何らかの「思惑」、さらに「地震研究=国家プロジェクト」という思い込みが働いているためであろう。時機を逸して日本の地震研究の権威が失墜しないことを懸念するばかりである。)