2004-04-16 早ければ年内合意 日欧、政府衛星補完で

 欧州アリアンスペース社のジャンイブ・ルガル社長は20日、東京都内で記者会見し、日本、欧州の主力ロケットにトラブルが起きた際に、政府衛星の打ち上げを互いに肩代わりする相互補完体制について「年内にも合意に達する可能性がある」との見通しを示した。

 衛星の打ち上げ補完は、打ち上げが失敗したり予定通り実施できない場合に、打ち上げサービスを請け負う仕組み。民間の商業衛星分野では昨年、日米欧の3社が提携で合意した。

 ルガル社長は日欧の政府衛星の打ち上げに関し(1)技術レベルが似ている(2)宇宙開発が平和利用目的で行われている−−などの類似点を指摘。「日欧のみが協力関係を構築できる」と述べた。

 その上で「ことしは日欧ともに交渉の重要な年だ」として、アリアンが、日欧の早期合意の実現に向けて欧州宇宙機関(ESA)との協議を進めるとともに、日本政府内での調整に注目する考えを示した。