2003-04-01 米が偵察衛星の軌道公表 政府の非公開、無意味に

 政府が先月28日に打ち上げた情報収集衛星(偵察衛星)2基の詳細な軌道データを、米航空宇宙局(NASA)が1日までに公表した。
 衛星を運用する内閣衛星情報センターは「安全保障にかかわるので軌道は非公開」としているが、アマチュア組織LAT(低高度人工衛星追跡ネットワーク)の橋本就安代表は「NASAのデータは北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の観測を基にしたもので、わりと正確」と指摘。非公開の意味がなくなった形だ。
 NASAが公表したデータによると、2基の衛星は地球を縦に回る高度約485キロ−510キロの軌道を周回中。1日に地球を約15周し、4日に1度、元の場所の上空に戻る経路をたどっている。打ち上げから1日までに、偵察目標の1つ朝鮮半島の真上を2回通過。1日午前10時半すぎには、日本の本州上空を2基の衛星が、北から南に相次いで通った。(共同通信)

(編集者コメント:世界中の大部分のスパイ衛星は、地上から感知されている。今回の情報収集衛星も打上げも公開されたもので、打上げ自体も極秘で行われる米国やロシアのスパイ衛星とは異なる。宇宙飛行物体を常に偵察しているNASAは、特に極秘にする義務もないために公開したのであろう。米国では、地上から感知されにくいスパイ衛星の開発が進んでいる。)