2011-11-08 ロシア、惑星探査に復帰なるか?--ソ連崩壊以後初

AFPによると、ロシアは水曜日に火星探査機を打上げる。成功すれば、ソ連崩壊後初の惑星探査となり、過去の栄光を取り戻すかもしれない。今回の火星ミッションは、火星の月となるフォボス-グラント(Phobos-Grunt)からサンプルと地球に持ち帰るという壮大なミッションとなる。成功すれば米国支配の分野にロシアにとっての「勝利の帰還」となる。ロシアは宇宙探査において超大国であり続けたいと切望していることの表れである、とAFPは報じている。

一方で、火星ミッションはロシアと中国の協力体制が強まる証ともなり、中国初の火星探査機「Yinghuo-1」を同時に打ち上げる。さらに、米国惑星協会が準備する細菌カプセルを含む多くの国際的実験ミッションも同時に運ぶことになる。この細菌カプセル実験は太陽系外宇宙探査に向けた長期宇宙ミッションで基礎的な生命体が生き残れるかどうかを確認するための壮大な実験となる。

ロイター通信によると、ロシアの宇宙科学分野における空白は、ロシアにとって屈辱的であったと報じている。しかしながら、今回のミッションはかなり難しいミッションで、フォボスに着陸してサンプルを採取し、地球に持ち帰るというものである。

ワイヤードニュースでは、ロシアはこれまで17回の火星ミッションを試みているが成功したためしがない、と報じている。一方、フォボス-グラントミッションは将来の火星有人ミッションへの道を切り開くための助けになる。NASAの提案によると、火星に向かう宇宙飛行士は有益な資源を得る可能性を秘めているフォボスに途中下車することも含まれている。

スペース・レビューサイトでは、ロシアにとって信じがたいほど野心的なミッションと評している。ただし準備不足を指摘している。ロシアはもっと単純な探査から始めるべきだということ。米国の多くの宇宙科学者の意見として、興味をそそるミッションではあるが、この機会をもっと大事にすべきだと述べている。背景に、ロシアの黄金時代の宇宙プログラムと対比している。NASAは現在進行中の惑星探査ミッションは12件である。米国にとっても惑星探査の成功は重要であり、フォボスのデータはNASAが必要としている。成功すれば火星の軌道からサンプルを地球に持ち帰ることが可能であることの強力な技術実証となる。

別のスペース・レビューサイト記事では、このミッションは野心的すぎるし膨大な利得とリスクを伴ったミッションだと警鐘を鳴らしている。もしサンプル持ち帰りに成功すれば、過去50年間ロシアを覆っていた暗雲を取り除くいいチャンスとなり成功の興奮をもたらすが、失敗すると、火星探査に生涯をかけてきた誇らしげな人々にとって耐えがたい失望感が襲いかかることになる。

スペース・レビューサイトでは、惑星協会の元代表によるコメントが掲載されている。同協会が持ち込む生命体惑星間飛行実験(Living Interplanetary Flight Experiment :LIFE) について論評している。同協会としては火星が生物に汚染されないように最大の注意が払われていると述べている。このミッションでは米国がより多く貢献したいと望んでいるものの、部分的な成功であってもロシアが惑星探査に戻ってきたことしめす十分に良い兆候だと述べている。そしておそらく、NASAと欧州が協力して実施を予定している不安定な協力火星ミッションに前向きな刺激を与えるだろうと述べている。