大徳所在の韓国航空宇宙研究院(院長イ・ジュジン)は6月27日午前6時41分(現地時間26日午後6時41分) に南米のフランス領ギアナのクールー宇宙センターから「千里眼(チョルリアン)」衛星がフランスのアリアン-5ECA発射体に搭載されて打ち上げられたと発表した。
千里眼は打ち上げ時の大きさが幅2.8m×長さ2.2m×高さ3.7m、軌道上で太陽電池板とアンテナを開いたときの大きさが幅5.3m×長さ8.7m×高さ3.7m、重量が2460kgの中型衛星。
打ち上げ後の約38分後である午前7時19分頃、オーストラリアのトンガラ地上局との初の交信を通じて衛星の状態は良好であることが確認された。千里眼は打ち上げ3時間後には太陽電池板を部分展開し、以後静止軌道進入のために3回のエンジン噴射を経て約8日後に太陽電池板を完全に展開して通信アンテナを開く予定という。
千里眼と韓国国内の地上局(大徳の航空宇宙研究院衛星運営センター)との初交信は打ち上げ後約10日後に行われる見通し。約6ヵ月間にわたり軌道上で搭載体の機能試験などを行い12月末から本格的なサービスを開始することになる。千里眼衛星は今後7年間にわたり1日24時間の衛星通信サービスと韓半島周辺の気象および海洋観測の任務を行うが、これらの任務を同時に遂行する衛星は世界で初めて。
通信搭載体は新技術であるKa帯域(20 30㎓)周波数利用技術の確保と新規衛星放送通信サービスおよび公共通信サービスのための実用化試験に活用される予定。韓国で開発された衛星HDTV伝送技術や衛星3DTVなどの新規サービスを検証する一方で災害時の非常衛星通信やDTV難視聴解消など公共通信網を検証するなどの任務も果たす。
海洋搭載体は画素当たり500mの解像度で昼間に8回(1時間間隔)の観測が可能。韓国だけでなく中国や日本の海域まで詳細に観測しながら浮遊堆積物の移動や汚染物の現況、海流循環状態など海洋環境を観測して気候の変化を感知する。
気象搭載体は台風や集中豪雨、黄砂、海上濃霧などの気象現象を早期に探知し、長期の海水面温度や雲に関する情報を集めたり、高解像度の気象映像を提供することになる。
千里眼衛星は通信と海洋、気象の3つの機能をもつ。国産技術で開発された通信搭載体が宇宙認証を済ませば韓国は世界で10番目の通信衛星開発国となる。また新技術の開発品活用で韓国の技術の対外競争力確保や関連産業活性化に寄与し、通信中継器の国産化で約1600億ウォンの予算節減効果が見込まれる。
独自の気象衛星を保有することになった韓国はこれまで30分間隔で提供されていた気象予報の水準を通常時には15分、緊急時には最短で8分間隔で提供が可能になり国民生活の安全にも寄与する見通し。
経済産業的には衛星の核心部品の国産化により輸入代替効果が得られ輸出の可能性が高まる一方、関連産業への技術波及効果も期待される。韓国政府は静止軌道衛星の周波数と軌道の確保にともなう経済効果は約4560億ウォンに達するものと推定している。(おはよう大徳)
(編集者コメント:欧州が官民共同で開発したAlphaバスが今後主流になると言われている。Eurostarシリーズは、2009年末でこれまで17機が打上げられている。
名称:COMS-1 (Communication, Ocean and Meteorological Satellite)
ミッション:気象観測、海洋監視、通信(実験的)
運用:KARI
製造:Astrium
ペイロード:Meteo Imager, Ocean colour Imager, S-/L-Band transponder, Ka-band transponders
衛星バス:Eurostar-3000S
寿命:7年
質量:2460kg
