2008-11-04 Ad Astraのプラズマエンジン、十分な推力達成

Ad Astra ロケット社(Ad Astra Rocket Co.)は将来の宇宙旅行を革命的に発展させる可能性があると言われているプラズマロケットエンジンを開発しているが、このたび開発競争に一歩リードする成果を達成した。

同社の「VX-200 VASIMR」プラズマエンジンの第一段目試作機は30kWという全出力を達成した。推進燃料にはアルゴンガスを使用。ヒューストンの研究所で実施された。

VASIMRのヘリコン第一段目は重要な部分で、中核的なプラズマを発生する。

この企業はコスタリカの物理学者で元NASA宇宙飛行士のフランクリン・チャン・ディアズによって2005年に設立され、VASIMR技術の産業化、商業化を目指す。

VASIMR(Variable Specific Impulse Magnetoplasma Rocket)は高出力プラズマ利用の宇宙推進技術だが、もともとはNASAで研究が進められた。このエンジンが実用化されると現在よりももっと効率的に衛星を操作でき、そして推進剤が激減する。そして火星までの飛行などがもっと短縮される。

今回の成功内容としては、170kWのイオンサイクロン共振加熱となる第二段目の開発に道を切り開いたことになる。30kWの第一段目と170kWの第二段目を組み合わせることで200kWの完全な出力が可能となる。