2007-09-04 不法投棄を宇宙から監視 北東北3県が初の実用化へ

 青森、岩手、秋田の北東北3県が、地球観測衛星「だいち」を使って産業廃棄物の不法投棄を宇宙から監視するシステムの共同開発に乗り出した。来年4月をめどに実用化する見通しで、人工衛星を使った不法投棄対策は全国で初めてという。

 平成11年に青森、岩手県境で、87万立方メートルと当時国内最大級の産廃不法投棄事件が発覚。以後も不法投棄は絶えず、抜本的な対策が求められていた。

 システムは、だいちから送られる地表の画像データを基に、岩手大が地形の変化などを解析。県や市町村の産廃監視員の持つ情報と照らし合わせ、不法投棄の現場を突き止め、立ち入り調査などに踏み切る。

 県面積が日本一広く、約8割が山林の岩手県の場合、監視員やヘリによる警戒や巡回では、不法投棄の発見、摘発まで時間がかかっていた。画像は長さ約2・5メートルの物体まで識別でき、3県は不法投棄の早期発見や摘発促進につながると期待している。

 だいちを打ち上げた宇宙航空研究開発機構がデータ提供で3県に協力。岩手県に開発室を置き、岩手大がシステム構築に向けて準備を進めている。(sankei)