2006-08-21 日本人宇宙旅行者、飛行中止:医学的問題点が原因

日本人として初めて国際宇宙ステーションへの宇宙旅行者として期待されていた榎本ダイスケ氏だが、ここにきて宇宙飛行には医学的に適さないとの理由で飛行が拒否された。

ロシア宇宙庁ロスコスモス(Federal Space Agency:Roskosmos)当局によると、9月14日の飛行中止は決定的と述べている。しかしながら理由は公開されていない。

関係者によると、予備要員としてアンサリー(Anousheh Ansari)女史が、米国コマンダとロシアのエンジニアとともに打上られる予定である。ブローカであるスペースアドベンチャー社によると代わりとしてアンサリー女史が飛行するかどうかはコメントは出していないが、ロシア関係者は医学的問題が解決されれば次の打上に榎本氏が参加することも可能としているとし、絶望的ではないことを示唆した。

(編集者コメント:かつてから噂されていた事態であり、医学的問題によって中止になるというシナリオは予想されていた。あくまで編集者の予想だが資金的な問題が発生したのであろう。特に今年初めに、榎本氏の宇宙旅行の予備要員として、Xプライズの資金提供者として知名度の高いアンサリー女史の名前が世界を駆け巡ったことで、榎本氏中止の予想は現実味が出てきていた。そして女史がいつでも飛行できる準備ができているとして、次の宇宙旅行に積極的な姿勢を示していた。

  この時期、今回の宇宙観光のブローカであるスペースアドベンチャーにしてみれば、宇宙旅行の同胞とも言えるアンサリー女史が行きたいといえば、榎本氏は辞退せざるを得ないであろう。恐らく、女性初の宇宙旅行者というインパクトは、宇宙旅行産業全体を押し上げたいとするスペースアドベンチャーにしてみれば一石二鳥となる。ましてや華々しく登場した日本のスペースアドベンチャー社オフィスが1年も経たないうちに閉鎖されたことで、日本の市場に限界を感じているのであろう。

  予想だが、アンサリー女史は船外活動をするのではないかと思われるが、9月に間に合うかどうかは微妙な段階。Xプライズ、スペースアドベンチャー、そして仕掛け人のディアマンデス氏(Xプライズの仕掛け人でもあり、国際宇宙大学の仕掛け人)。米国の宇宙観光仕掛け人たちはアンサリー女史の宇宙観光実現で一大キャンペーンが成立する。日本の入る余地はない。米国は歴史を作るのが上手であり、歴史は資産価値を生むことを熟知している。世界初の女性宇宙旅行者は後世歴史に刻まれる。ライト兄弟、リンドバーグ、アポロ、シャトル等。)