2004-12-04 NASA局長が辞任 大学学長に転進へ

米航空宇宙局(NASA)のオキーフ局長(48)は13日、ブッシュ大統領に辞表を提出し、受理された。後任は未定。NASA当局者によると、後任が決まるまで職にとどまる。米メディアは、オキーフ局長が故郷のルイジアナ州立大の学長に就任する見通しだと報じた。 同局長は2001年、行政管理予算局の次長からNASA局長に就任。03年2月のスペースシャトルコロンビア空中分解事故後は、NASAの組織改革や事故の再発防止策に取り組んだ。次期局長は、来年5月以降に予定されるシャトルの飛行再開や、月や火星の有人探査を目指すブッシュ大統領の新宇宙政策の実現など重責を担うことになる。

(編集者コメント:もともと行政で経歴のあったオキーフ長官は、ステーションのずさんな予算管理が発覚したゴールディン長官時代を引き継ぎ、NASAの意識改革を実行するために就任した。本人の希望というより、外部からの要請に近かった。そのことから、任期期間は短いと予想されていた。しかしシャトルコロンビア事故処理で予定より長く長官の椅子に座ることになってしまった。次の長官は、ブッシュ政権が掲げる有人宇宙ミッション実現という重責を背負うことになるため、それなりの宇宙専門家になると思われる。)

NASAオキーフ長官が辞表、学費確保「家族のため」

「今の仕事では、子供たちの学費が払えません」−−。米航空宇宙局(NASA)のオキーフ長官(48)が、ブッシュ米大統領に提出した辞表の中で、辞任の理由として3人の子供たちの教育費確保に言及していたことが13日わかった。米政府高官が辞任時に「家族のため」と説明する場合は多いが、ここまで具体的に踏み込んだケースは珍しい。

 NASAはオキーフ長官が13日に辞表を提出したと発表。AP通信によると、同氏は南部ルイジアナ州立大の総長の有力候補に挙がっている。給与は年50万ドル(約5200万円)で、長官の給与の倍以上だと見られる。

 米国のトップ公務員の年俸は大統領約40万ドル、財務長官約17万5000ドルなどで、数百万ドルに達することも多い企業経営者やスポーツ選手などに比べ相対的に低い。

 オキーフ長官は辞表でブッシュ大統領が家族を大切にすることに感銘を受けたと述べた上で、今回の辞任は、「まさに家族のため」と説明。3人の子供のうち1人が来秋に大学に進学するなど学費がかかり「自分の親が与えてくれたのと同様の選択肢を子供にも与えたいが、公職(の給与)ではできない」と述べた。

 米国の大学の学費は年々上がっており、今年は私立(4年制)で年平均約2万ドル、公立(同)でも5000ドルを超えた。(毎日)