2004-01-20 火星・ワサビ地区にスシ・サシミ…NASA命名

米航空宇宙局(NASA)は19日、火星無人探査車スピリットが初めて撮影した、大型岩石の接近画像を公表した。中央にある幅数十センチの岩を「サシミ」、右の岩を「スシ」、一帯を「ワサビ地区」と命名した。

 2つは着陸地点の周辺では最も大きな岩石。スピリットの岩石研磨装置で削って内部を観察する最初の対象に選ばれたが、表面が凸凹で砂塵に覆われていたため、3メートル離れた別のフットボール大の岩「アディロンダック」に変更された。この名は米先住民の言葉で「偉大なる岩」を意味するという。

 3つの岩石とも、鉄分が多く粘り気の少ない溶岩が冷えて固まった玄武岩と見られているが、サシミとスシの方がやや白く、違う種類の岩石の可能性もある。

 地球では、玄武岩は火山の周辺だけでなく、海底の地殻の主材料でもあるため、火星の玄武岩がどのような環境でできたものか、NASAの専門家も強い関心を寄せている。(読売新聞)