2003-09-29 科学衛星、事実上の「宇宙迷子」に

 今月27日に打ち上げられた韓国初の「科学衛星1号(ウリビョル(我が星の意)4号)」が、29日夜現在、地上管制センターとの交信が一回も行われず、事実上宇宙空間で行方不明となった。

 科学技術部や航空宇宙研究院、韓国科学技術院(KAIST)の人工衛星センターからなる「衛星管制チーム」は、27日午後10時からこれまで衛星との交信を8回も試みたが、いずれも失敗したと、29日発表した。

 このため、管制チームは科学衛星がどの軌道を回っているのか、正確な位置を把握できずにいる。

 管制チームは当初、衛星打ち上げ基地のロシア宇宙センターから提供された衛星軌道情報に問題があったとみて、軌道情報を修正しながら衛星との交信を試みたが、結局失敗した。

 このため、管制チームは大田(テジョン)にあるKAIST・人口衛星センターで非常対策会議を開き、衛星の通信システムや地上管制センターの受信装備に問題があるかどうかを再点検している。

 科学技術部のチェ・ジョンベ宇宙航空技術課長は、「科学衛星が地球軌道に近づくと推定される時間に合わせて、引き続き交信を試みている」とし、「外国では1週間も過ぎて交信に成功するケースも時々あるため、衛星の打ち上げが失敗したとみるにはまだ早い」と話した。

 「科学技術衛星1号」は1998年10月、科学技術部の「宇宙技術中長期研究計画」に従って開発に着手し、116億9000万ウォンを投入して完成された。

 同事業の総括管理は韓国航空宇宙研究院が、衛星本体の開発はKAISTの人口衛星センターが、搭載体の開発はKAISTの他、韓国天文研究院、ソウル大学、米バークレー大学がそれぞれ担当した。(朝鮮日報)