2003-07-19 プルトニウム238生産へ 米政府、軍事用電源か

米政府は主に原子力電池の原料として使われ、1980年代半ばに国内生産を中止した放射性物質プルトニウム238の生産を近く再開する方針を決めた。議会関係者が19日、明らかにした。

 「国家安全保障上の理由から生産態勢を整える必要がある」との国防総省の要請に基づくもので、生産されるものの多くが軍事用とみられる。

 プルトニウム238は、同239と違って核兵器の原料にはならないが、半減期が88年と長く放射能レベルも高いため、環境中での影響は大きい。今後、環境保護団体や反核団体から反発が予想される。
 プルトニウム238は、自己崩壊する時に熱を出すため、これを利用して長寿命のプルトニウム電池などが作られており、米航空宇宙局(NASA)の探査機の電源用にも使われている。(共同通信)